確定申告を「e-Tax」で終わらせるために、いますぐ済ませておきたい3つの手続き

shutterstock_2028107021

確定申告期限直前に慌てないために。

yu_photo/Shutterstock

  • 確定申告の手間が大きく減るe-Taxの利用者は、全体の約3分の2にのぼる。
  • しかし、その恩恵を受けるためには、それなりの「準備」が必要だ。
  • すでにe-Taxの開始届を提出済みの人に向けて、確定申告期限直前に慌てないためにも、事前に済ませておきたい手続きをピックアップした。

2023年度(令和5年度)の確定申告・所得税と贈与税の申告・納付期限が迫っている。所得税申告のオンラインによる申告利用者の割合、つまりe-Tax利用者率は2022年度では65.7%となり、すでに約3分の2が利用している。

2020年度(令和2年度)の確定申告から、確定申告に必要な書類がオンラインで取得できる「マイナポータル連携」がスタートし、確定申告にかかる手間は大きく減った。しかし、その恩恵を受けるための「準備」を忘れていないだろうか。

すでにe-Taxの開始届を提出済みの人に向けて、確定申告期限直前に慌てないためにも、事前に済ませておきたい手続きをピックアップした。

1:今回からマイナポータル連携対象となった書類の「初回連携作業」

今年度の確定申告から、マイナポータル連携による申告書への自動入力対象が拡大した。特に大きいのは「給与所得の源泉徴収票」だろう。また、フリーランス向けにも「国民年金基金掛金」「iDeCo」「小規模企業共済掛金」の証明書等のデータも一括取得・自動入力の対象となり利便性が高まった。

簡単便利な自動入力にはマイナポータル連携が欠かせない。すでにe-Taxアカウントと連携済みの人も、新しく自動入力対象となった書類を確定申告書へ自動入力できるようにするためには、初回手続きが必要だ。

「給与所得の源泉徴収票」

e-Taxマイページから「本人確認/情報取得希望」を登録する必要がある。国税庁のリーフレットに「確定申告の数日前までに事前準備が必要」とあるように、登録から利用可能になるまでタイムラグがあるので注意しよう。

e-tax_01

e-taxサイトから、「マイページ>本人確認/情報取得希望」を開き、「本人確認/情報取得希望」の項目に「希望していない」とあれば、「設定する」ボタンから取得希望に変更しよう。

(出典)e-Taxソフト[WEB版]

「iDeCo(小規模企業共済等掛金払込証明書)」

「小規模企業共済掛金」

「国民年金基金掛金」

いずれも確定申告に必要な証明書等を一元管理できる「e-私書箱」にアカウントを作成し、それぞれの「手続きサービス・手続きポータル」と「e-私書箱」との連携が必要となる。

iDeCoオンライン手続きサービス」「小規模企業共済オンライン手続きポータル」「国民年金基金オンライン手続きポータル」との連携手続きは「e-私書箱」内で行うこととなるが、注意が必要なのが、各オンライン手続きポータルの利用可能時間だ。

e-Taxは確定申告期間は24時間稼働、e-私書箱も24時間稼働しているが、各オンライン手続きサービスの稼働時間は平日の8時〜23時土日や深夜には連携手続きができないため、週末を挟むとオンライン手続きなのに数日かかることもある。今週のうちに連携を行っておこう。

また、連携にはマインバーカードとパスワードが必要となる。平日であれば、連携手続きは1〜2時間程度で済むだろう。

2:「各種証明書の発行・申請」は今すぐに!

マイナポータルへの登録およびe-Tax、「e-私書箱」との連携が済めば、「ふるさと納税」「医療費」「社会保険料」「生命保険」など、控除申請に必要な書類をオンラインで取得できる。

e-tax_02-1

(出典)マイナポータル

しかしこれらは自動で取得されるのではなく、電子発行の申請が必要になる。マイナポータル連携が完了したら、自分に必要な証明書等を把握して、すぐ申請を行っておこう。

申請からデータがダウンロードできるまで、発行元企業・団体によって1営業日〜5営業日かかるケースもある。土日を挟むと1週間かかってしまうケースも考えられるため、今週中には控除に必要な証明書を申請しておきたい。

  • ふるさと納税:証明書電子発行申請から1〜4営業日
  • 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書:申請から3〜5営業日(電子データでの再交付の場合)
  • 生命保険料控除証明書:申し込みから約2営業日(控除証明書電子交付サービスへの申し込みから本登録完了まで)

3: e-Taxソフトや申告に使う「PC・スマホのセットアップ」

「PCやスマホを新調した」「PCは同じだがOSを更新した」「WindowsからMacへ買い替えた」「デフォルトで利用するブラウザを変えた」「ICカードリーダライターを買い替えた」など、e-Taxを利用するPC環境やスマホの機種が変わった人は要注意だ。

提出する書類や電子データが手元にそろい、e-Taxにログインして申告を行う前に、「事前準備セットアップツール」や「拡張機能」など事前準備セットアップが済んでいるか確認しよう。ICカードリーダライターを買い替えた人は、デバイスドライバーを含む基本ソフトウェアの最新版をインストールしてあるか、確認したい。以下にe-taxソフト(Web版)とWindwsにインストールするe-taxソフトを利用する際の、事前準備項目をまとめた。

e-Taxソフト(Web版)Windowsユーザー向け
  • e-Taxソフト(Web版)対応のOSバージョン・ブラウザの確認
  • 「事前準備セットアップ」ツールのインストール
  • ブラウザの拡張機能「e-Tax AP」のインストール

e-Taxソフト(Web版)Macユーザー向け
  • e-Taxソフト(Web版)対応のOSバージョン・ブラウザの確認
  • 「事前準備セットアップ」ツールのインストール

e-Taxソフト(Windows PC版のみ)向け
  • ルート証明書等のインストール
  • 信頼済みサイトおよびポップアップブロックの許可サイトへの登録
  • e-Taxソフトのアップデートと税目プログラムのインストール

また、マイナンバーカードに組み込まれている電子証明書の有効期限の確認も忘れないようしたい。マイナンバーカードの有効期限は成人で10年だが、電子証明書の有効期限は発行から約5年(発行日から5回目の誕生日まで)

有効期限の2〜3カ月前に、自治体から有効期限通知書が送られているはずだ。電子証明書の更新には、市町村窓口での手続きが必要となる。特に今週から来週に誕生日を迎える人は、3月15日の直前に電子証明書の期限が切れていないか確認しよう。

まとめ

窓口での申請よりもラクと言われるe-Taxだが、e-Taxの公式サイトから自分自身で必要な情報を確認するのは、かなり骨の折れる作業だ。申告の期限が迫っている今の時期にはなおさらだろう。これから確定申告作業のラストスパートを迎える人は、15日を心穏やかに迎えられるように、ぜひ以上の3点を確認してもらいたい。

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み