フリーランスの取引適正化に向けた公正取引委員会の取組についてまとめています。
「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」
令和5年4月28日、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)(令和5年法律第25号)が可決成立し、同年5月12日に公布されました。同法は、働き方の多様化の進展に鑑み、個人が事業者として受託した業務に安定的に従事することができる環境を整備することを目的とし、特定受託事業者に係る取引の適正化及び就業環境の整備を図るため、一定の義務を課すものです。取引の適正化に係る規定については主に公正取引委員会及び中小企業庁が、就業環境の整備に係る規定については主に厚生労働省がそれぞれ執行を担います。同法は、公布の日から起算して1年6か月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされています。
法律の内容は「所管法令・ガイドライン」ページからご覧ください。
【各種資料】
新着情報
- お知らせ5月9日 YouTubeに「禁止事項(減額の禁止)」の解説動画公開しました!(関連のショート動画も公開中)
- お知らせ5月7日 YouTubeに「禁止事項」関連のショート動画を公開しました
- お知らせ4月12日 「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行令(案)」等に対する意見募集を開始しました(報道発表)
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YouTube 5月9日更新
フリーランス、事業者の皆様に向けて、「フリーランス・事業者間取引適正化等法」の解説動画を作成し、YouTube公正取引委員会チャンネルに掲載しています!令和6年11月1日施行(予定)に向けて、ぜひ御視聴ください!▶パワポ動画でわかる フリーランス・事業者間取引適正化等法
第1部 法律の制定経緯と趣旨
第2部 法律の対象となる当事者と取引
第3部 取引の適正化に係る規制
第4部 就業環境の整備に係る規制
第5部 規制内容のまとめと違反行為への対応、フリーランスの方向けの相談窓口の紹介
※聴覚障害者の方向けの資料
パワポ動画原稿
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第1部
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第2部
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第3部
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第4部
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第5部
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フリーランス向け
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中小企業・小規模事業者向け
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発注事業者向け
Vol.1 基本の基(フリーランスの考え方・義務と禁止事項のポイント)
Vol.2 取引条件の明示義務って、つまり、何?
Vol.3 定めて、守って支払って 期日における報酬支払義務
Vol.4 その受領拒否、違反です
Vol.5 その返品、違反です
Vol.6 その減額、違反です NEW!
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Vol.1 基本の基
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Vol.2 取引条件の明示義務って、つまり、何?
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Vol.3 定めて、守って支払って 期日における報酬支払義務
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Vol.4 その受領拒否、違反です
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Vol.5 その返品、違反です
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Vol.6 その減額、違反です
Q&A
フリーランス・事業者間取引適正化等法に関するQ&Aを掲載しています。フリーランス・事業者間取引適正化等法Q&A
※随時更新(令和5年12月22日更新 Q2-3を追加)
- Q1この法律はどのような趣旨・目的で設けられたのでしょうか。
- Q2-1この法律の適用対象となる、「フリーランス」と「発注事業者」はどのようなものでしょうか。
- Q2-2従業員を使用しない事業者がフリーランスに業務委託を行う場合には、この法律は適用されないのでしょうか。
- Q2-3下請法上の「修理委託」はこの法律の業務委託に含まれるのでしょうか。
- Q3この法律の第3条では、発注事業者は、フリーランスに対し業務委託をした場合は、給付の内容、報酬の額等を明示しなければならないと定められています。「明示」はどのように行えばよいのでしょうか。
- Q4この法律の第4条では、発注事業者がフリーランスに対し業務委託をした場合における報酬の支払期日が定められています。 ①なぜこのような規定を設けているのでしょうか。 ②「60日の期間内」の例外はありますか。
- Q5この法律の第5条では、発注事業者は、フリーランスに対し業務委託をした場合に、発注事業者がしてはならない行為が定められています。 ①具体的にどのような行為が禁止されているのでしょうか。 ②対象となる業務委託が「政令で定める期間以上の期間を行うもの」に限定されているのはなぜでしょうか。
- Q6この法律の第12条では、発注事業者は、広告等によりフリーランスの募集に関する情報を提供するときは、虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならず、正確かつ最新の内容に保たなければならないと定められています。 ①なぜこのような規定を設けているのでしょうか。 ②例えば、この規定に違反することとなるのは、どのような表示でしょうか。
- Q7この法律の第13条では、発注事業者は、フリーランスが育児や介護等と両立して業務が行えるよう、その申出に応じて必要な配慮をしなければならないと定められています。 ①なぜこのような規定を設けているのでしょうか。 ②「政令で定める期間以上の期間行うもの」(以下「継続的業務委託」という。)とそれ以外の業務委託で規定を分けているのはなぜでしょうか。 ③配慮の具体的な内容はどのようなものでしょうか。
- Q8この法律の第14条では、発注事業者は、フリーランスに対するハラスメント行為に係る相談対応等必要な体制整備等の措置を講じなければならないと定められています。このハラスメント対策のための措置の具体的な内容はどのようなものでしょうか。
- Q9この法律の第16条では、発注事業者は、継続的業務委託を中途解除する場合は原則として中途解除日の30日前までに、フリーランスに対し予告しなければならないと定められています。 ①なぜこのような規定を設けているのでしょうか。 ②予告が不要とされる、すなわち即時解除が認められるのはどのような場合でしょうか。
- Q10「フリーランス・トラブル110番」とは何でしょうか。新しい法律に関する問い合わせも受け付けているのでしょうか。
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Q1
この法律はどのような趣旨・目的で設けられたのでしょうか。
- A
○ 近年、働き方の多様化が進展する中、個人が、それぞれのニーズに応じた働き方を柔軟に選択できる環境を整備することが重要となってきており、フリーランスという働き方もその選択肢の一つです。「自分の仕事のスタイルで働きたい」、「働く時間や場所を自由にしたい」といった理由からフリーランスとして働くことを積極的に選択する方も多くいますが、育児や介護のほか、様々な事情によりフリーランスという働き方を選択する方もいます。
○ こうした中、発注事業者と業務委託を受けるフリーランスの方の取引において、
・ 「一方的に発注が取り消された」
・ 「発注事業者からの報酬が支払期日までに支払われなかった」
・ 「発注事業者からハラスメントを受けた」
などの取引上のトラブルが生じている実態があります。
○ この背景には、一人の「個人」として業務委託を受けるフリーランスと、「組織」として業務委託を行う発注事業者との間には、交渉力やその前提となる情報収集力の格差が生じやすいことがあると考えられます。
○こうした状況を改善し、フリーランスの方が安定的に働くことができる環境を整備するため、令和5年5月12日に、この「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」が公布されました。
○この法律では、
① 取引の適正化を図るため、発注事業者に対し、フリーランスに業務委託をした際の取引条件の明示等を義務付け、報酬の減額や受領拒否などを禁止するとともに、
② 就業環境の整備を図るため、発注事業者に対し、フリーランスの育児介護等に対する配慮やハラスメント行為に係る相談体制の整備等を義務付けています。
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Q2-1
この法律の適用対象となる、「フリーランス」と「発注事業者」はどのようなものでしょうか。
- A
○ この法律は、従業員を使用せず一人の「個人」として業務委託を受けるフリーランスと、従業員を使用して「組織」として業務委託を行う発注事業者との間において、交渉力などに格差が生じることを踏まえて、取引の適正化等を図ることを目的としています。
○ したがって、この法律の適用対象は以下のとおりとされています。(※1・2)
「フリーランス」・・・業務委託の相手方である事業者であって従業員を使用しないもの
「発注事業者」・・・フリーランスに業務委託をする事業者であって従業員を使用するもの
※1 なお、この法律上は、フリーランスは「特定受託事業者」、発注事業者は「特定業務委託事業者」とされていますが、この Q&Aでは伝わりやすさを優先し、それぞれ「フリーランス」、「発注事業者」と表現しています。正確な定義につきましては、この法律の条文をご参照ください。
※2 したがって、一般的に「フリーランス」と呼ばれる方には、この法律の定義に該当しない個人事業主等(「従業員を雇っている」「消費者を相手に取引をしている」等)も含まれますが、これらの方々は、本法における「特定受託事業者」には該当しないことにご注意ください。
<さらに詳しく:「従業員を使用しないもの(するもの)」の「従業員」とは何でしょうか>
○ 「従業員」には、短時間・短期間等の一時的に雇用される者は含まれないと整理しています。
○ 具体的には、雇用保険対象者の範囲を参考に、「週労働20時間以上かつ31日以上の雇用が見込まれる者」を「従業員」とすることを想定しています。
○ したがって、週労働20時間未満の者や、30日以下の雇用しか見込まれていない者のみを雇用している場合であれば、「従業員を使用しないもの」となり、この法律が適用されるフリーランスに該当します。
○ このような考え方については、今後、ガイドライン等でお示ししたいと考えています。
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Q2-2
従業員を使用しない発注事業者がフリーランスに業務委託を行う場合には、この法律は適用されないのでしょうか。
- A
○ この法律は、従業員を使用せず一人の「個人」として業務委託を受けるフリーランスと、従業員を使用して「組織」として業務委託を行う発注事業者との間において、交渉力などに格差が生じることを踏まえて、取引の適正化等を図る目的で設けられています。
○ このため、必ずしも交渉力等の格差が生じるとはいえない、従業員を使用しない発注事業者とフリーランスとの取引については、基本的に、この法律の規定は適用されません。
○ ただし、書面等による取引条件の明示義務(法第3条)については、当事者間の認識の相違を減らし、トラブルを未然に防止するという観点から、従業員を使用しない発注事業者とフリーランスとの取引についても適用対象としています。
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Q2-3
下請法上の「修理委託」はこの法律の業務委託に含まれるのでしょうか。
- A
○ 下請法では、物品の修理の委託を「修理委託」、役務の提供の委託を「役務提供委託」と、それぞれ定義しています。
○ この法律では、下請法のように修理委託と役務提供委託を分けて定義せず、修理委託における修理も役務提供の一つと整理しています。そのため、下請法上の「修理委託」は「役務の提供」の委託の一つとして、この法律の業務委託に含まれます。
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Q3
この法律の第3条では、発注事業者は、フリーランスに対し業務委託をした場合は、給付の内容、報酬の額等を明示しなければならないと定められています。「明示」はどのように行えばよいのでしょうか。
- A
○ この法律では、発注事業者がフリーランスに業務委託をした場合に、「給付の内容(委託する業務の内容)」、「報酬の額」、「支払期日」、公正取引委員会規則で定めるその他の事項の明示を義務付けています。
○ この明示の方法は、発注事業者とフリーランス双方の利便性向上の観点から、
①取引条件を記載した書面を交付する方法、
②取引条件をメール等の電磁的方法により提供する方法、
のいずれかを発注事業者が選択できるようにしています。
○ 業務委託をした場合は、「直ちに」上記の取引条件の明示を行わなければなりません。ただし、内容が定められないことにつき正当な理由があるものについては、その事項の内容が定められた後、直ちに明示することも可能としています。
<さらに詳しく①:「内容が定められないことにつき正当な理由がある」とはどのような場合でしょうか>
○ 取引の性質上、業務委託に係る契約を締結した時点ではその内容を決定することができないと客観的に認められる理由がある場合をいいます。具体的には、放送番組の作成委託において、タイトル、放送時間、コンセプトについては決まっているが、委託した時点では、放送番組の具体的な内容については決定できず、「報酬の額」が定まっていない場合などが挙げられます。
<さらに詳しく②:「公正取引委員会で定めるその他の事項」とは何でしょうか>
○ 「公正取引委員会で定めるその他の事項」については、今後、関係者の意見をよく確認して具体的な事項を定めることとしています。
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Q4
この法律の第4条では、発注事業者がフリーランスに対し業務委託をした場合における報酬の支払期日が定められています。
①なぜこのような規定が設けられたのでしょうか。 ②「60日の期間内」の例外はありますか。従業員を使用しない発注事業者がフリーランスに業務委託を行う場合には、この法律は適用されないのでしょうか。 - A
<①について>
○ この規定は、フリーランスと発注事業者との間の交渉力等の格差により、発注事業者が報酬の支払期日を不当に遅く設定するおそれがあり、フリーランスの利益を保護する必要があることから設けられたものです。
<②について>
○ この法律では、発注事業者がフリーランスの給付(成果物等)を受け取った日から数えて60日の期間内に報酬の支払期日を定め、その支払期日までに報酬を支払わなければならないものとされています。
○ また、発注事業者が、他の者から受けた業務委託をフリーランスに再委託する場合は、他の者から発注事業者への報酬の支払期日から起算して30日の期間内に、発注事業者からフリーランスへの報酬の支払期日を定め、その支払期日までに報酬を支払わなければならないこととしています。
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Q5
この法律の第5条では、フリーランスに対し業務委託をした場合に、発注事業者がしてはならない行為が定められています。 ①具体的にどのような行為が禁止されているのでしょうか。 ②対象となる業務委託が「政令で定める期間以上の期間を行うもの」に限定されている のはなぜでしょうか。従業員を使用しない発注事業者がフリーランスに業務委託を行う場合には、この法律は適用されないのでしょうか。
- A
<①について>
○ この規定では、以下のような7つの行為が禁止されています。
・「受領拒否」
フリーランスに責任がないのに、発注した物品等の受領を拒否することです。発注の取消し、納期の延期などで納品物を受け取らない場合も受領拒否に当たります。
・「報酬の減額」
フリーランスに責任がないのに、発注時に決定した報酬を発注後に減額することです。協賛金の徴収、原材料価格の下落など、名目や方法、金額にかかわらず、こうした減額行為が禁止されています。
・「返品」
フリーランスに責任がないのに、発注した物品等を受領後に返品することです。
・「買いたたき」
発注する物品・役務等に通常支払われる対価に比べ著しく低い報酬を不当に定めることです。通常支払われる対価とは、同種又は類似品等の市価です。
・「購入・利用強制」
フリーランスに発注する物品の品質を維持するためなどの正当な理由がないのに、発注事業者が指定する物(製品、原材料等)や役務(保険、リース等)を強制して購入、利用させることです。
・「不当な経済上の利益の提供要請」
発注事業者が自己のために、フリーランスに金銭や役務、その他の経済上の利益を不当に提供させることです。報酬の支払とは独立して行われる、協賛金などの要請が該当します。
・「不当な給付内容の変更、やり直し」
フリーランスに責任がないのに、発注の取消しや発注内容の変更を行ったり、受領した後にやり直しや追加作業を行わせる場合に、フリーランスが作業に当たって負担する費用を発注事業者が負担しないことです。
<②について>
○ 一般的に、契約期間が長くなればなるほど、発注事業者とフリーランスなどの受注事業者との間に経済的な依存関係が生じ、発注事業者から不利益な取扱いを受けやすい傾向にあるといわれます。こうした実態を踏まえたフリーランス保護の必要性などの観点も踏まえて、政令で定める一定の期間以上継続して行われる業務委託を対象として、発注事業者に対し、受領拒否や報酬減額の禁止などの義務を課すこととしています。
○ この「政令で定める期間」については、今後、関係者の意見をよく確認しながら、フリーランス取引の実態に即した期間の設定を検討していくこととしています。
○ ただし、書面等による取引条件の明示義務(法第3条)については、当事者間の認識の相違を減らし、トラブルを未然に防止するという観点から、従業員を使用しない発注事業者とフリーランスとの取引についても適用対象としています。
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Q6
この法律の第12条では、発注事業者は、広告等によりフリーランスの募集に関する情報を提供するときは、虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならず、正確かつ最新の内容に保たなければならないと定められています。①なぜこのような規定が設けられたのでしょうか。②どのような表示をすると、この規定に違反することになるでしょうか。
- A
<①について>
○ この規定は、広告等に掲載されたフリーランスの募集情報と実際の取引条件が異なることにより、
・ その募集情報を見て募集に応じたフリーランスと発注事業者との間で取引条件を巡るトラブルが発生したり、
・ フリーランスがより希望に沿った別の業務を受注する機会を失ってしまったりするのを防止することを目的として設けられているものです。
<②について>
○ この規定に違反することになる表示として、例えば、・ 意図的に実際の報酬額よりも高い額を表示する(虚偽表示)、・ 実際に募集を行う企業と別の企業の名前で募集を行う(虚偽表示)、
・ 報酬額の表示が、あくまで一例であるにもかかわらず、その旨を記載せず、当該報酬が確約されているかのように表示する(誤解を生じさせる表示)、
・ 業務に用いるパソコンや専門の機材など、フリーランスが自ら用意する必要があるにもかかわらず、その旨を記載せず表示する(誤解を生じさせる表示)、
・ 既に募集を終了しているにもかかわらず、削除せず表示し続ける(古い情報の表示)などが想定されます。
○ 一方、当事者の合意に基づき、広告等に掲載した募集情報から、実際に契約する際の取引条件を変更する場合などは、この規定に違反するものではありません。
○ このような内容については、今後、この法律の第15条に基づき厚生労働大臣が定める指針において明確化を図っていきます。
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Q7
この法律の第13条では、発注事業者は、フリーランスが育児や介護等と両立して業務が行えるよう、その申出に応じて必要な配慮をしなければならないと定められています。①なぜこのような規定が設けられたのでしょうか。②また、「政令で定める期間以上の期間行う」業務委託とそれ以外の業務委託で規定が 分かれているのはなぜでしょうか。③具体的にどのような配慮が求められるのでしょうか。
- A
<①について>
○ この規定は、フリーランスの多様な働き方に応じて、発注事業者が柔軟に配慮を行うことにより、フリーランスが、育児介護等と両立しながら、その有する能力を発揮しつつ業務を継続できる環境を整備することを目的として設けているものです。
<②について>
○ この法律の第13条では、
・ 業務委託のうち「政令で定める期間以上の期間行うもの」(継続的業務委託)については、発注事業者に対し、その業務委託の相手方であるフリーランスからの申出に応じて、当該フリーランスが妊娠、出産もしくは育児又は介護と両立しながら業務に従事することができるよう、当該フリーランスの育児介護等の状況に応じた必要な配慮を行うことが義務付けられており(配慮義務)、
・ 継続的業務委託以外の業務委託の場合には、発注事業者に対し、フリーランスが育児介護等と両立しつつ業務に従事することができるように配慮をするよう努めることが義務付けられています(配慮の努力義務)。
○ このように、業務委託の期間によって規定を分けているのは、一定期間継続して取引をしている発注事業者に対しては、フリーランスの業務における依存度が高まると考えられ、フリーランスが育児介護等と両立して業務に従事するためには、当該発注事業者から、業務について適切な配慮が行われることがより重要になると考えられるためです。
<②についてさらに詳しく:「政令で定める期間」はどのくらいでしょうか>
○ 「政令で定める期間」については、今後、関係者の意見をよく確認しながら、フリーランス取引の実態に即した期間の設定を検討していくこととしています。
<③について>
○ 発注事業者が行う必要な配慮の内容として、例えば、
・ フリーランスが妊婦検診を受診するための時間を確保できるようにしたり、就業時間を短縮したりする、
・ 育児や介護等と両立可能な就業日・時間としたり、オンラインで業務を行うことができるようにしたりする
といった対応が想定されます。
○ こうした配慮の考え方や対応の具体例については、関係者の意見を聴きつつ、取引の実態を踏まえながら、今後、この法律の第15条に基づき厚生労働大臣が定める指針において明確化を図っていきます。
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Q8
この法律の第14条では、発注事業者は、フリーランスに対するハラスメント行為に係る相談対応等必要な体制整備等の措置を講じなければならないと定められています。このハラスメント対策のための措置の具体的な内容はどのようなものでしょうか。
- A
○ 発注事業者が講じるべきハラスメント対策のための措置の具体的な内容は、
① ハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化し、従業員に対してその方針を周知・啓発すること(対応例:社内報の配布、従業員に対する研修の実施)、
② ハラスメントを受けた者からの相談に適切に対応するために必要な体制の整備(対応例:相談担当者を定める、外部機関に相談対応を委託する)、
③ ハラスメントが発生した場合の事後の迅速かつ適切な対応(対応例:事案の事実関係の把握、被害者に対する配慮措置)
を想定しています。
○ これらは、発注事業者が、別に雇用主として労働関係法令(男女雇用機会均等法等)に基づき講じることとされている従業員のハラスメント対策と同様の内容であり、労働関係法令に基づき整備した社内の相談体制やツール等を活用いただくといった対応も考えられます。
○ ハラスメントの考え方や発注事業者が講ずべき措置の具体例については、関係者の意見を聴きつつ、取引の実態を踏まえながら、今後、この法律の第15条に基づき厚生労働大臣が定める指針において明確化を図っていきます。
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Q9
この法律の第16条では、発注事業者は、継続的業務委託を中途解除する場合は原則として中途解除日の30日前までに、フリーランスに対し予告しなければならないと定められています。①なぜこのような規定が設けられたのでしょうか。②予告が不要とされる、すなわち即時解除が認められるのはどのような場合でしょうか。
- A
<①について>
○ この規定は、一定期間継続する取引において、発注事業者からの契約の中途解除や不更新をフリーランスに予め知らせ、フリーランスが次の取引に円滑に移行できるようにすることを目的として設けられたものです。
<②について>
○ 発注事業者が契約を中途解除したり更新しないこととしたりする事由は様々であることから、30日前までの予告を不要とする例外的なケースを、今後、厚生労働省令で定める予定です。
○ 具体的には、例えば、
① 天災等により、業務委託の実施が困難になったため契約を解除する場合、
② 発注事業者の上流の発注者によるプロジェクトの突然のキャンセルにより、フリーランスとの契約を解除せざるを得ない場合、
③ 解除をすることについてフリーランスの責めに帰すべき事由がある場合(フリーランスに契約不履行や不適切な行為があり業務委託を継続できない場合等)
等が想定されます。
○ 例外的なケースの具体的な内容は、今後、取引の実態もよく把握しながら検討していきます。
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Q10
「フリーランス・トラブル110番」とは何でしょうか。新しい法律に関する問い合わせも受け付けているのでしょうか。
- A
○ 「フリーランス・トラブル110番」は、フリーランスと発注者等との契約内容等の取引上のトラブルについて、フリーランスの方が弁護士にワンストップで相談できる窓口であり、厚生労働省が、公正取引委員会・中小企業庁と連携して、第二東京弁護士会に委託して実施しています。
○ 具体的には、契約内容、報酬の未払いやハラスメント等のフリーランスと発注者等との間の取引上のトラブルについて、常駐する弁護士が、トラブルの内容に応じ、法律上取り得る対応等のアドバイスを行っており、必要に応じて和解あっせん手続きや労働基準監督署等の関係機関を紹介することなどにより、トラブルの解決を図っています。
(参考)
◆フリーランス・トラブル110番 HP
https://freelance110.jp/
<新しい法律に関する問い合わせについて>
○ フリーランス・トラブル110番は、フリーランスと発注者等との間の取引上のトラブルについての相談窓口となっていますので、この法律に関するご質問等につきましては、公正取引委員会、中小企業庁又は厚生労働省にお問い合わせください。
(参考) お問い合わせ窓口
(法律「第一、二、五章」関係 Q&A問1~5関係)
公正取引委員会事務総局取引部取引企画課フリーランス取引適正化室
03-3581-5471(代表)(内線2664)
中小企業庁事業環境部取引課
03-3501-1511(代表)(内線5291)
(法律「第三、四章」関係 Q&A問6~10 関係)
厚生労働省雇用環境・均等局総務課雇用環境政策室
03-5253-1111(代表)(内線7876)
フリーランス・トラブル110番
令和2年11月から、第二東京弁護士会により、「フリーランス・トラブル110番」が 運営されています。「フリーランス・トラブル110番」とは、フリーランス・個人事業主の方が、契約上・仕事上のトラブルについて弁護士に無料で相談できる相談窓口で、公正取引委員会も内閣官房・厚生労働省・中小企業庁とともに第二東京弁護士会と連携しています。フリーランス・トラブル110番
その他
◆フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン令和3年3月26日、内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省の連名で「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」を策定しました。同ガイドラインは、事業者とフリーランスとの取引について、独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法、労働関係法令の摘要関係を明らかにするとともに、これらの法令に基づく問題行為を明確化しています。
フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン
フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン概要
◆実態調査関係
フリーランスについて、その取引実態を幅広く調査することなどを目的として、公正取引委員会及び関係省庁の共同で実態調査を実施しました。
令和3年度フリーランス実態調査結果
令和4年度フリーランス実態調査結果
令和5年度フリーランスの業務及び就業環境に関する実態調査結果(厚生労働省ウェブサイト)
◆関連ページ
内閣官房、中小企業庁、厚生労働省の関連ページは以下のとおりです。
(内閣官房)特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)等に係る取組について
(中小企業庁)経営サポート「取引・官公需支援」 取引適正化に向けた法律の執行
(厚生労働省)フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ
問い合わせ先
公正取引委員会事務総局経済取引局取引部取引企画課フリーランス取引適正化室
電話 03-3581-5471(代表)(内線2664)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/