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【マンガ】6カ国語を学ぶも「仕事で語学を生かそうとは思わなかった」【外国語をつかって働きたい】

得意な語学を生かして会社勤め→イラストレーター・漫画家として独立」というユニークな経歴を持つ小島さなえさん。
本記事では小島さんの著書「外国語をつかって働きたい」(左右社)から、「語学力を活かしたい!」人や、「フリーランスで働きたい!」人にとって気になる&役立つエピソードを紹介していきます。

本連載もいよいよ最終回。今回はフリーランスの通訳ガイド「シンさん」のストーリーを紹介します。語学は好きだけど、あくまで「趣味」だったというシンさん。大学卒業後は販売・接客をしようとデパートに就職したそう。そこからどうして、通訳ガイドになったのか…。そこにはあるつらい経験と、偶然の出会いがありました。どうぞご覧ください!

※第1回→「食いっぱぐれがなさそう」と語学の道を進んだものの、絵を描く仕事への未練が捨てきれず…!?
※第2回→「徹夜必至な量の仕事依頼」受ける?受けない?意外に知らない「隣のフリーランス」の働き方

(※注: 作中でコロナ禍における外国人観光客の減少について言及していますが、これは取材をした2022年7月時点の状況です。2023年以降インバウンド需要は回復傾向にあります)

他のストーリーは『外国語をつかって働きたい』で!

例え直接仕事で使わなくても「やっぱり語学が好き」

『外国語をつかって働きたい!』(左右社)の第5章では、語学力を生かして働いている様々な職業の方への取材をしています。上の漫画は、その中から通訳ガイドのシンさんへのインタビュー部分を抜粋したものですが、取材をした私自身、お話を聞いて共感するところがたくさんありました。

シンさんは最初から通訳ガイドを目指していたわけではありませんが、色々なご縁がつながって今の仕事に行き着き、結果的に趣味で長年続けてきた語学の知識や過去の仕事の経験が生かされているそうです。そのように、過去にコツコツ続けてきたことが直接的・間接的に現在の自分を助けてくれることはしばしばあり、私自身も本書巻末の「エピローグ」でそのことに触れています。


長年語学を学んできたのに「語学と関係のない仕事に就くなんてもったいない」と私もたまに言われますが、上の漫画で触れたとおり、イラストの仕事においても語学が多少できると大変便利です。また、翻訳をしていた頃に「どうすれば伝わりやすいか」を常に考えていたことが、イラストの仕事においても少なからず役立っています。

語学以外にも「勉強しておいてよかった」と思うことは色々あります。例えば、失業中に通った職業訓練校で簿記(3級レベル)を学んだおかげで、フリーランスになった後の帳簿つけがさほど苦になりません。大学職員の採用試験を受けるためにかじった民法や著作権法の知識は、現在の仕事で取引先と契約を結んだり交渉したりする際に大いに役に立っていますし、契約書のまわりくどい表現も、翻訳会社や大学職員時代にその手の文書をたくさん読んでいたおかげで比較的素早く読解できます。翻訳会社で「発注する側」の立場を経験したおかげで、現在の仕事でも自分の前後の工程の人のことを想像するようになり、できるだけ納期に余裕を持って納品する習慣がついています。

これらのスキルがあるからといって、イラスト自体のクオリティが上がるわけではありませんが、事務的なストレスが減って画業に集中しやすくなるメリットは大きいと思います。

昔は「勉強に費やした時間とお金を無駄にしたくない」という理由で外国語を使う仕事に固執していましたが、今こうして振り返ると、どんな仕事に就いていたとしても自分が学んできたことはなんらかの形で生かされていることを実感します。昔の私と同じような悩みを抱える人が、この本を読むことで少し肩の力を抜くことができたらいいなと思っています。

※第1回→「食いっぱぐれがなさそう」と語学の道を進んだものの、絵を描く仕事への未練が捨てきれず…!?
※第2回→「徹夜必至な量の仕事依頼」受ける?受けない?意外に知らない「隣のフリーランス」の働き方

小島さなえ(こじま・さなえ)
1980年生まれ。大学で中国語を専攻し、1年間の語学留学を経験。卒業後は翻訳・校正スタッフや大学職員として10年間サラリーマン生活を送る。35歳でイラストレーターとして開業し、書籍や広告など様々な媒体にイラスト素材を提供。本書の出版にあたり、漫画家「小島さなえ」として活動開始。

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