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領収書が手元になくても大丈夫? 交通系ICカードなど、キャッシュレスでの経費処理は?

こんにちは。連載2回目の今回は、「交通系ICカードなど、キャッシュレス支払い」含む、領収書がもらえない場合の経費精算についてです。
この疑問は、昨年フリーランス協会が主宰した「行列のできる税理士相談所」のイベントで、疑問にあがり、盛り上がりました。
では、前回に引き続き、「税理士法人大和パートナーズ税理士法人Soogol(スーゴル)税理士法人BlueWorksTaxに解答してもらいましょう。

三者三様の答えを読むことで、税務にはたった一つの正解があるわけではないことや、自分の解釈次第なのだということを感じていただけるのではないでしょうか。
そして、何よりも素朴な疑問が解消され、確定申告のハードルが下がることを願うばかりです。

【疑問1】
交通費は、交通系ICカードにチャージして使っています。
コンビニで手持ち現金がない時に同じ交通系ICカードを利用して飲み物などを買うこともあります。
その場合、領収書がなければ経費になりませんか?

大和パートナーズの見解
飲み物代(事業関連支出のみ)に使った場合はICカードの支払い明細で代用でき、支払った金額を旅費交通費から会議費等に振り替えます。
なお、交通系ICにチャージした場合は、チャージ金額を仮払金で計上し、支払ったときに旅費交通費に振替え、残額は貯蔵品等に振り分けます。
だだし、継続的適用を前提にチャージ金額を旅費交通費として処理することも可能です。

Soogolの見解
交通系ICカードを使って、支払った場合でも、現金で支払った時と同様に経費にすることができます。ただし、交通系ICカードに関しては、チャージをした際にチャージ金額を経費にするのではなく、交通系ICカードを利用して、物を購入した際のその金額が経費になるのでご注意ください。

また、原則、領収証又はレシートがなければ経費にすることはできません。自動販売機などで、領収証がそもそも出ない場合に関しては、出金伝票を作成していただき、日付、金額、場所、用途等を記録して、領収証の代わりとして保管することで、経費にすることができます。

ちなみに、個人の飲み物代金は、領収証があっても必要経費にはなりません。従業員にお茶を出したならば、福利厚生費、お客様にお茶を出した場合は、接待交際費、又は会議費になります。
交通系ICカードは、交通費用と物販用を分けて2枚持つと便利です。

BlueWorksTaxの見解
原則的には領収書がなければ経費計上できないことになります。ただ、実務的にはICカードの使用履歴をエビデンスとして経費計上することもありますが、物販の金額が大きくないことが前提となります。


【疑問2】
スキル習得のための研修受講代を振込みましたが、領収証をもらっていません。経費処理できますか?

大和パートナーズの見解
出金伝票(支払日付、支払相手先、支払金額、支払目的や品物サービスの内容)の作成
し、その内容がわかるようにしておけば経費処理可能です。

Soogolの見解
領収書がなくても、振込の控えと、振込の内容がわかる書類(請求書、メール本文等)があれば必要経費となります。
スキル取得のための受講費は、事業に直接必要なものならば必要経費となりますが、事業に無関係な研修は必要経費となりませんのでご注意ください。

BlueWorksTaxの見解
原則領収書が必要となりますが、取引明細などで支払が確認でき、出金伝票を作成することにより経理処理可能です。

2020年は、コロナ感染拡大対策の一環として、キャッシュレス支払いが増えた人も多いのではないでしょうか。本来は経費計上できる勘定なのに「領収書がないから」と諦めてしまうのはもったいないですよね。
経費処理時に、キャッシュレスの支払いやカード払いの履歴を確認してみるのも良いかもしれません。

では、次回もお楽しみに!

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