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「負荷=成長だと思ってない?」キャリア相談会で気付いた“不安の正体”

「フリーランスのためのキャリア相談」と聞くと、「どんなことをするの?」「どんなメリットがあるの?」「何のために相談するの?」…等々、数々の疑問が思い浮かぶのではないでしょうか?かくいう私も、今まで出会ったキャリアコンサルタントは転職エージェントでの担当者くらいで、個人として相談するイメージはありませんでした。

一方、フリーランスになって3年。仕事はそこそこ軌道に乗ってきたはずなのに、「このままでいいのかな」「何か新しいこと始めた方がいいのかな」というぼんやりとした不安や焦りをずっと抱えていました。会社員時代のように、ビール片手に不安や不満を聞いてくれる上司や同僚もいないし…なんて一人でモヤモヤしていたところ、「フリーランスのためのキャリア相談」を体験できる機会に恵まれました!やったー!

というわけで、今回の記事では、私ことフリパラ編集部の豊田(フリーの編集者・ライター)の、「フリーランスのためのキャリア相談」体験レポートを公開します!

「とことん聞いてもらう」という初めての体験で、大事なことを思い出した

キャリア相談は1時間ほど、オンラインで行いました。相談に乗ってくださるアドバイザーは中野敦志さんという、フリーランスのキャリアコンサルタントです。

早速、「夢だった編集・ライターでの独立を果たしたが、この先の働き方が見えず不安である」という私の悩みを話します。アドバイザーの中野さんは、悩みに対していきなりアドバイスするようなことはせず、「とても興味深い話ですね」「会社員時代、ずっと独立したいと思ってたのですか?」などと相槌と質問を重ね、とことん私の話を聞いてくれます。聞き上手な中野さんにつられ、こちらもついついたくさんのことを話してしまいました。新卒で入った会社での違和感、編集を志して転職した先での出会い、そもそもなぜ、この仕事を始めようと思ったか、果ては「書くっていいな」と思った大学時代の原体験まで…。こんなに自分のことを話したのは初めてだったかもしれません。

そもそも私は小心者で、「こんなこと言ったらウザいかな?」「調子乗ってると思われるかも?」など、色々考えてしまい、人前ではあまりオープンに話せないタイプです。飲み会の帰りに、「調子乗ってあんなことしゃべらなきゃよかった…」と後悔したことも数知れず。それが今回、じっくり自分の話に耳を傾けてもらったこと、それだけでとても心がスッキリしました。これが傾聴…まさにプロの技です。そして、なぜ「編集・執筆」という仕事を志したのかを改めて言語化し、これから進む方向性を再確認することができました。こういう大事なことって、普段仕事に追われていると、なぜか忘れてしまうんですよね。

アドバイザーの指摘でわかった、モヤモヤの正体

相談会の後半、話は悩みの核心に迫っていきます。収入面での満足度、パートナーとの関係性、現在の働き方について思うところなどなど、たくさんの話を聞いてもらっている中で、中野さんが放った一言にとてもハッとさせられました。それは「『成長イコール負荷』だと思っているんですね?」という投げかけ。

正確には、私が何気なく話した「今いい感じで働けてるってことは、成長できていない、負荷が足りていないと思ってるんですよね~」という言葉を丁寧に拾ってくれて、もう一度私に伝えてくれたのです。

「負荷がかかってしんどい状況じゃないと、人間は成長しない」

そんなこと思っていないはずなのに、心の底ではこの考えが染み付いていたことに自分でもびっくりしました。そしてどうやら、激務だった会社員時代と現在の状況を比べて、「自分が得意な仕事を自分のペースで進める」ことに知らず知らずのうちに罪悪感を感じており、そしてそれが「このままでいいのかな」という不安につながっていたようなのです。

「そんなこと思ってたんだなぁ」と自分に驚きつつも、今の働き方が、自分が選んだ結果であること、今関わっている仕事は、元々志した思いと合致していることを改めて言葉にでき、罪悪感を持つ必要はないと気持ちを整理することができました。後日、中野さんからいただいたフィードバックシートにも「遮二無二働くことだけが美徳ではないですよ」と書かれていました…本当にその通りです!

そしてもう1つ、中野さんからは「『仕事仲間』が欠如してませんか」という重要な指摘もいただきました。仕事の中身まで語り合えるような同業者の仲間がいないため、他者からのインプットやフィードバックが何も得られないまま、仕事への評価が「自己評価」のみになってしまっている。そしてそれが、「仕事をしている実感」を希薄にしている要因なのではないか…。

仲間の欠如は本当にその通りで、地方移住と同時にフリーランスになった私には「仕事仲間」がほとんどいません。「5年後、雑誌ってなくなるのかな」「こんなクライアントがいたんだけど…」「今更だけどTikTok始めるべき?」等々、業界ネタを話せる人がおらず、インプットもネット頼みのため、自分の視野がどんどん狭くなっているのを感じていました。また、同業者がどんなペースでどんな仕事をしているかも知らないので、業界内での自分の立ち位置がわからず、「これでいいのだろうか」という不安につながっていたのだと思います。

最後に、「5年後にありたい自分でいるために、何をしましょうか」という問いかけのもと、明日からやりたいことをアクションに落とし込みます。私は「興味ある分野の仕事の割合を増やすこと」と「語り合える仕事仲間づくり」を挙げました。後日、中野さんから「お悩みポイント」や「アドバイス」が書かれたフィードバックシートをいただき、これにて相談は終了しました。

自分で判断しなくてはならないフリーランスだからこそ、プロによる相談の場が必要

キャリア相談に求めるものは、人によって違うと思います。私のように「これでいいのかな」という漠然としたモヤモヤを話したい人もいれば、もっと具体的に、「○○という分野に進出しようと思っている」ような相談もアリだと思います。私にとってキャリア相談は、「他人の目を借りて、自分が抱える問題を見つめ直すこと」でした。

今回、中野さんに相談できてなかったら、自分の抱えるモヤモヤの正体がわからず、むやみに新しい領域での仕事を増やしたり、仕事とは関係のない場所で知り合いを増やしたりとしていたと思います(実際、そういう方向に舵を切りかけていました)。自分のことって意外と自分の方がわかっていないんだな…と痛感しました。

会社員であれば、上司との1on1があったり、そもそもキャリアパスを会社が用意してくれていたりします。けれどもフリーランスにはそんなものありません…!自分の悩みは自前で整理し、キャリアパスも自分で描かなくてはならないのです。そんなフリーランスだからこそ、プロによるキャリア相談という場が必要なのではないかと思っています。

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