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親子一緒に楽しむ“新しい”ワーケーションが、新潟県糸魚川市で始動!

「柔軟な働き方」の「お試し滞在」ができる

皆さんは、複数の地方自治体が提供している「お試し住宅」という宿泊施設を聞いたことはありますか? その多くは、移住希望者に「お試し」で住んでもらい、その土地の魅力を知ってもらうことで、移住を促すのが目的です。
しかし、移住希望者だけではなく、ワーケーション目的で訪れる人も利用できる「お試し住宅」があります。
新潟県糸魚川市が提供する、移住体験交流施設「水上(みずかみ)」です。

糸魚川市は、日本海に沿って横に広がる新潟県の最西端に位置する、海と山に囲まれた自然豊かな土地

「水上」はWi-fiも使えるため、フリーランスなどリモートワークが可能な人であれば、旅先で仕事をしながら過ごすことができます。1泊2日〜6泊7日まで利用でき、宿泊料はなんと無料! 一般的に、長期滞在する際にネックとなるのは高額な宿泊費と言われますが、「その宿泊料の負担を減らしたかった」と同市企画定住課の宮路省平さんは語ります。

「もともと、県外に住むクリエイティブ人材と糸魚川市の事業者をマッチングしたいという考えがありました。スキルや経験を持つ県外の方たちに、販路拡大の方策を一緒に考えてもらったり、人手不足の事業者の企業ブランディングを手伝ってもらったりしたかったのです。そうした人材に来てもらうには、長期滞在しやすい施設が必要だと考えました」(宮路さん)

現在、糸魚川市はエンファクトリーが運営する、仕事と人材をつなぐマッチングプラットフォーム「チームランサー」を活用し、「いといがわ・クリエイティブ・シップ」というコミュニティを設置。糸魚川市にゆかりのあるクリエイティブ人材が複数集い、地域課題の解決に向けた地元事業者との連携が生まれているようです!

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チームランサー内にある「いといがわ・クリエイティブ・シップ」のwebページ

今年度は、親子向けのワーケーションを推進

このように、外部のクリエイティブ人材の活用に一早く取り組むなど、チャレンジ精神旺盛な糸魚川市ですが、今年度、力を入れているのが「親子ワーケーション」の推進だと宮路さんは言います。

「『親子ワーケーション』とは、親が仕事をしながら、子どもと一緒に地方で長期滞在する取り組みのことです。ただし、親子同伴で地方に長期滞在する際、ネックとなるのが子どもの『教育』と耳にしました。夏休みなどの休暇期間以外は、子どもには学校があるため、長期滞在が難しいのだそうです」(宮路さん)

そこで糸魚川市が企画し、来年2月にモニター開催をするのが、子どもの「体験入学」付きの親子ワーケーションです。市の教育委員会と連携し、県外に住む子どもを糸魚川市の小学校で1週間受け入れ、その間、親が宿泊先でリモートワークができるという取り組みです。

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体験入学付きの親子ワーケーションのイメージ図。糸魚川市の宮路さんご提供

このモニター体験を踏まえ、2022年度(令和4年度)には、同じ親子に向けて1学期、2学期、3学期と年3回の親子ワーケーションを開催予定。通称「シー・ユー・アゲイン・プロジェクト」と呼ばれる本企画では、四季折々の糸魚川市の魅力を味わってもらい、地元の小学校の生徒とも触れ合う機会を多くすることで、子ども起点の「関係人口創出」につなげる試みです。

コロナ禍をきっかけに、他の自治体でも開催する事例が出ている「親子ワーケーション」ですが、休暇中の企画や平日の場合、未就学児向けの開催が多いのが実態です。その点、小学生が平日参加できる、糸魚川市の親子ワーケーション企画は画期的と言えるでしょう。

図鑑好き、外遊び好きの子どもたちに、人気だった場所は?

では、そんな思い切った企画に挑む糸魚川市とはどんなところなのでしょうか。
「お試し住宅」をワーケーション利用者にも広げるなど、“フリーランス・フレンドリー”な同市を一度訪れてみたいと思っていたフリパラ編集部の児玉と協会代表の平田は、コロナ感染拡大が落ち着いた頃を見計らって、子どもを連れて、プライベート視察を敢行しました。

同市に実際に滞在したからわかった、子どもたちが喜ぶ場所や体験、大人のワーク場所、地元のグルメを写真でご紹介します。

・親不知海岸での石探し

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「石のまち」として知られる糸魚川。ヒスイは見つかるかな?
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磁石にくっつく石に子どもは大喜び!
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親不知海岸が見下ろせる場所にあるレストラン「漁火」。フリーWi-fi、延長コード貸し出しOK

・能生海水浴場での海遊び

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浅瀬のため子どもも遊びやすい。目の前に海の家があるため、見守りを任せられたら親はワークできる
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磯の生き物も捕まえられる

・フォッサマグナミュージアムでの化石発掘

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これは化石?! 判定結果が出るまでドキドキ
学芸員さんの判定の結果、化石がこんなに!

・高波の池でデイキャンプ

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池の横でゆっくりしたり、ボール遊びしたり
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近くのベンチに座ってワーク時間。不思議とアイデアが湧いてくる

・ヒスイ峡で川遊び

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まるで天然の避暑地。水が冷たくて、暑い日でもずっと遊べる
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大小さまざま、いろんな色の石が見つかるのも水が透明だから

・万年雪で雪遊び

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「なんで雪があるの?」とはしゃぐ子どもたち。涼しくて快適
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半袖で雪遊びを楽しむ姿は貴重!

・海の幸、地元の名物料理をいただきます!

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親不知海岸で食べた天然牡蠣の味が忘れられない
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糸魚川といえば、蟹、蟹、蟹です!
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宿泊場所「ゆとり館」の蟹御膳。「食べやすいように」と、蟹の殻をとって提供してくれた心配りに感動
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「ゆとり館」は、里山体験にぴったりの場所。希望すれば野菜収穫もさせてもらえる
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地元の名物料理の笹寿司。笹寿司作りの体験もできる

以上、すべてを紹介できたわけではありませんが、親子一緒に楽しめる糸魚川市の魅力を、写真を通して少しでも感じてもらえたのではないでしょうか。

平日4泊5日のワーケーションプランが登場

さて、きっと糸魚川市への興味関心が高まっていると思われる皆さんに朗報です。
同市の働きかけにより、平日限定で安価に泊まれるワーケーションプランを2つの宿泊先が用意してくれたとのこと。いずれの宿もWi-Fi完備かつ、客室か宿の館内にワークができる場所を設けています。

漁師の宿親不知交流センターまるたん坊

漁師が運営する宿。魚料理が絶品!

【施設概要】
■所在地 新潟県糸魚川市大字外波106番地
■プラン内容 平日4泊5日(月曜日から4泊の宿泊)
■利用料金 お一人様税込12,000円(ログキャビン又は和室)
■お食事 朝食:× 夕食:×  ※ご希望の方は、別途3,300円
■チェックイン 15:00〜22:00
■チェックアウト 9:00
■その他 繁忙期や施設指定日は除外となります。日程を早めて途中でチェックアウトの場合、割引・返金等はありません。日中は、レストラン漁火で日本海を一望しながらテレワー クが可能。洗濯機と乾燥機、共有のキッチンもあるため、長期滞在に便利です。
■予約・問合せ先 親不知交流センターまるたん坊 電話 025-562-3002

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一階のログハウスにある共有のワークスペース

柵口温泉権現荘

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温泉が人気の旅館

【施設概要】
■所在地 新潟県糸魚川市大字田麦平26番1
【Otellのサイトからの予約の場合】
■プラン内容  平日4泊5日(月曜日から4泊の宿泊)
■利用料金 お一人様税込21,780円(洋室又は和室)
日曜チェックイン分追加  6,000円(税抜)
土曜チェックアウト分追加 6,000円(税抜)
■お食事 朝食:× 夕食:×
※ご希望の方は、別途朝食2,000円(税込)、夕食7,000円(税込)
■チェックイン 14:00〜21:00
※夕食希望の場合は19時最終
■チェックアウト 11:00
■その他 繁忙期や施設指定日は除外となります。 日程を早めて途中でチェックアウトの場合、割引・返金等はありません。
■予約・問合せ先  Otell

その他、ホテルのサブスクサービスHafHへの登録もあるため、プランによっては、1ヶ月の滞在も可能です。

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温泉ワーケーションで、心身共にリフレッシュ
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洋室のお部屋には、デスクと椅子がある

パソコンやスマホがあれば、どこでもリモートワークができるフリーランスにとっては、平日安価に利用できる宿泊施設が充実するのはありがたいですよね。

2021年2月に予定している親子ワーケーションモニターの宿泊先のひとつは柵口温泉権現荘です。自身が温泉好きで、子どもに多様な体験をさせてあげたいと望む親には、オススメのワーケーション企画になりそうです。

※2月の開催情報の詳細は、フリーランス協会のメルマガでも発信しますが、糸魚川市のメルマガ「糸魚川応援隊」に登録して、情報を受け取ることもできます。

執筆:児玉真悠子
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・ フリーランス協会 地方創生チーム&フリパラ編集部
株式会社ソトエ代表取締役、一般社団法人日本ワーケーション協会公認ワーケーションコンシェルジュ。ビジネス系出版社を経て、2014年にフリーランスの編集&ライターとして独立。以降、子どもの長期休暇中に、自身の仕事を旅先に持っていく生活へ。各自治体の発信業務に関わる中で、「地域・大人・子ども」にとって三方良しの親子ワーケーションの可能性を感じ、株式会社ソトエを創業。現在、「親子deワーケーション」の企画・運営・発信事業を通じて、仕事と子育てをどちらも大事にできる暮らし方を普及すべく邁進中。twitterは@mayukoda

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