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「なんか怖い」「面倒くさい」はもったいない! 手軽に資産形成ができる、つみたてNISAの始め方

こんにちは。ファイナンシャル・プランナーのタケイ啓子です。

自分のペースで働きやすいことは、フリーランスの大きなメリット。その一方で、いつまで働き続けていけるか、ふと心配になることもあるのではないでしょうか。
フリーランスに定年はありませんが、それでもいつかはリタイアすることを考えれば、まとまった資金づくりを始めるのは、早いにこしたことはありません。そのためにはまずは貯蓄が基本、さらに投資も組み合わせることで、資金作りがスピードアップします。

投資は損をしそう、面倒くさそう、と思って敬遠ばかりしていてはもったいない。
つみたてNISAを利用すれば、安心、手軽な投資も可能です
。今回は、フリーランスの人にこそオススメの、つみたてNISAについてお伝えします。

オススメのポイントは5つ

つみたてNISAがフリーランスにオススメなのは、本業に影響しにくい投資方法だからです。
具体的には、次の5点です。

●安心できる投資先が選べる
つみたてNISAでできるのは、「金融庁が認めた、一定の条件を満たす投資信託やETF(上場投資信託)」の「積立購入」のみです。その大きな特徴は、低コストで、シンプルなローリスクの投資信託が揃っていること。中でも、インデックス型と言われる、日経平均株価やTOPIXなどの指数と連動した運用成果をめざす投資信託がオススメです。

安心できる投資先を選んでおけば、毎日のように株式のチャートをチェックしたり、売買のタイミングをはかるためにパソコンの画面をずっと見ていたりなど、デイトレーダーのようなことをする必要はありません。
時間をかけなくていいので、忙しい人でも投資しやすいのです。

●100円からでも始められる
つみたてNISAでは、毎月いくらの積み立てにするか、最初に決めておきます。金額は無理のない範囲で設定しておきましょう。ネット証券では月額100円からでも可能です。
こんなに少額からできるなら、まずは口座開設して始めてみる、ということもできますね。

とはいえ、月100円ではなかなか増えていきません。できれば1000~3000円くらいは積み立てていきたいところ。預貯金とはちがった利回りを、実感しやすいと思います。
つみたてNISAで投資できるのは、年間40万円まで。1か月あたり3万3000円ほどです。
いったん設定しておけば、あとは自動的に積み立て投資が続けられます。

●積み立てタイプでほったらかし投資
投資の基本は、安く買って高く売ること。株式や投資信託は値動きをしますので、できれば安い時に買いたいところですが、いつ安くなるのか、あらかじめ知ることは誰にもできません。
しかし、積み立て投資にしておけば、安い時には多く買い、高い時には少なく買うことで、値動きのリスクを抑えられます。

●お金に働いてもらい、利益は非課税
お金は自分が働いて稼ぐだけではなく、投資によってお金に働いてもらうという発想も大切。
投資による利益にも、通常は20.315%の所得税がかかりますが、つみたてNISAなら非課税です。
たとえば、10万円の運用益が出た場合、通常の投資なら税金が差し引かれて約8万円になるところ、つみたてNISAなら10万円がまるまる自分のものに。

これだけの差額を投資で得るのは大変です。ローリスクの投資信託の利回りは、2~3%程度のものが多いことを考えると、20.315%の非課税は大きなメリットと言えます。
非課税期間は20年間。しっかり生かしていきたいですね。

●いつでも引き出して換金できる
つみたてNISAには、解約できない期間などは設けられていません。資金が必要になったら、いつでも引き出して現金化できます。解約にともなうペナルティもありません。
将来のための資産作りは大切ですが、急きょ現金が必要になることも、フリーランスで働く人にとっては珍しいことではないでしょう。

そんな時でも、すぐに現金化できる点は安心です。ただし値動きはしていますので、安値で売らざるを得ない場合もあります。
いざと言う時のためには、預貯金とバランスをとって資産づくりをしていきましょう。

インターネットでいつでもスタートできる

多くのメリットがあるつみたてNISA、始めてみようと思ったら、インターネットで手続きできる、ネット証券会社がオススメです。
楽天証券やSBI証券、松井証券、マネックス証券などは、取り扱い投資信託の数が多く、ウェブサイトがわかりやすくなっています。

まず、総合取引口座とつみたてNISAの口座、2つの口座を開設します。
基本的には画面のメッセージどおりに入力すればよいのですが、迷いがちなのが、総合取引口座の種類です。3種類ありますが、結論から言って「特定口座、源泉徴収あり」が手軽な投資にはいいでしょう。

それぞれの特徴は以下のとおりです。

1. 特定口座・源泉徴収あり:証券会社が税金を計算して納税するので、確定申告は不要
2. 特定口座・源泉徴収なし:証券会社が1年間の取引をまとめた計算書を出してくれるので、簡単に確定申告できる
3. 一般口座:自分で取引を集計、納税もする

つみたてNISAは非課税なので、つみたてNISAだけの取引であれば、どの口座でもよいのですが、後で株式投資などもしてみたくなるかもしれません。
その場合、「特定口座・源泉徴収あり」なら、確定申告の手間が不要ですから手軽です。

運用益が非課税の制度には、つみたてNISAのほか、NISAもあります。どちらか一方の口座しか作れませんので、つみたてNISAを選ぶように気を付けます。
NISAは積み立てタイプではないので、つみたてNISAにくらべると投資に手間がかかります。

つみたてNISAの注意点

では最後に、つみたてNISAの注意点をお伝えします。

●時々はチェックして、運用先の変更も
比較的安心して投資できるつみたてNISAですが、元本保証ではないので損失を出すリスクもあります。運用の状況は、時々でもいいのでインターネットでチェックしましょう。
ネット証券なら、スマートフォンからいつでも確認できます。

つみたてNISAで購入できる投資信託は数多くありますので、購入先の変更はいつでも可能です。
ただし、証券会社によっては、取り扱っている投資信託が少ない場合もあります。そのため、取り扱い投資信託が多いネット証券を選んでおくといいでしょう。
証券会社の変更は年に1回ならできますが、手間はかかってしまいます。

●損失は長期運用でリカバー
それでも、投資に値動きはつきものなので、一時的に損失が出ることもあるでしょう。
しかし、長期運用をすることで損失のリスクは小さくできます。これまでも、ブラックマンデーや同時多発テロなどにより、市場が暴落したことはあります。
しかし、その後数年、長くても10年ほどで市場は回復し、右肩上がりの成長をしています。

暴落時に現金化すると損失が確定しますが、回復するまで待つことができれば損失は回避できます。
つみたてNISAは長期運用に適した投資信託が多くラインナップされていますので、じっくり増やせる商品選びができるでしょう。

●投資金額は年間40万円まで
つみたてNISAで投資できるのは、年間40万円までです。いったん投資信託を購入したら、その後売却しても非課税枠は戻りません。
つまり、売買を繰り返すような運用には不向きです。

コツコツ積み立てるのが、つみたてNISAのスタイル。投資に慣れてきて、売買を繰り返す取引をするなら、総合取引口座を利用するといいでしょう。

投資は、預貯金よりも高利回りでの運用が期待できます。
大手都市銀行の普通預金の利率は0.001%(2021年8月現在)。ローリスクの投資信託でも、2~3%は期待できますので、利用しない手はありません。
月100円からでも、まずは始めてみてはいかがでしょうか。

タケイ啓子
ファイナンシャルプランナー(AFP)。36歳で離婚、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職し、営業を経験。その後、保険の総合代理店に転職し、保険の電話相談業務に従事。生命保険の見直し相談や、保険のしくみの解説などを中心に、約1万件の相談に応じる。
順調に思えたが、43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。

プロフィール写真rev


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