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コロナ禍の新卒採用を誰もが知るあの店の元採用責任者がリード。量・質共に成功した「協力体制」の作り方 ~株式会社サーキュレーション 中西亮太さん

フリーランスとフリーランスを活用する企業のさらなる成長や活躍を目指し、今年も開催される「フリーランスパートナーシップアワード2021」。

本記事は、エージェント部門1次審査を通過したファイナリスト、株式会社サーキュレーションの中西亮太さんの事例をご紹介します。

新卒採用に悩みを抱えるお客様企業のために、採用に関して百戦錬磨のプロ人材をマッチング。コロナにも負けず、次々と新たな挑戦を試みるプロ人材と企業担当者の橋渡し役となって、採用母集団の大幅拡大を後押ししました。

今回はプロ人材としてアサインされ、このプロジェクトをリードした関口照輝さんにも、実際の取り組みや効果が出た背景などをお聞きしました。

最後に、投票フォームもありますので、取り組みへの共感や参考になった場合は投票をお願いします。

他社の選考に落ちたので…という志望理由を無くしたい

—— まずは御社の事業内容を教えてください。

中西さん:“プロ人材”と呼ばれる高い専門性を有する方々の経験・知見を、複数の企業でシェアする「プロシェアリング」事業を展開し、お客様の経営課題の解決を支援しています。

—— 中西さんは御社でどのような役割を担っているのでしょうか?

中西さん:私は2020年の4月に入社し、お客様の経営課題をお客様と共に整理したのち、適切な人材を探し出し、プロジェクトがうまく進むよう見守るプロシェアリングコンサルタントをしています。前職は地方銀行に15年程勤めており、営業課長のときに人材不足で悩む融資先支援の一環でサーキュレーションとパートナーシップを組んだのが、のちの私自身の転職につながります。

というのも当時、サーキュレーション九州支社長の久良木と出会い、このサービスは本当に企業にとって必要だと感じ、かなり多くのお客様に紹介していたのです。最終的には、自分がサーキュレーション側の人になるとは思っていませんでしたが(笑)、次第に、このサービスを本気で広めたいと思いが溢れてきたので、久良木にその意思を伝え、入社を決めました。

—— 元々はサーキュレーションのサービスを銀行員として紹介する側にいたのですね! そんな中西さんが今回アワードにエントリーしてくださった事例を早速紹介させていただきたいのですが、どんな企業様を支援したのでしょうか?

中西さん:お客様は、家具の製造で名高い福岡県大川市において、大川家具の製造卸および販売を行っている株式会社サンコウ様です。実はもともと、親会社のイケショウ株式会社様をサーキュレーションが支援し、成果に満足してもらえていたことから、サンコウ様でも活用したいというお話をいただき、私が担当することになりました。

サンコウ本社

大川家具を製造するサンコウ本社

最初にお伺いした課題は、新卒採用の課題でした。毎年2〜3名ほどの新卒を採用していましたが、母集団形成がなかなかうまくいっておらず、同じエリアの競合他社の選考を優先して就活をする学生がいるといった状況でした。とても魅力あふれる会社であることを就活生にしっかり訴求し、第一志望の応募者をもっと増やしたいと考えていらっしゃったのです。

当時、サンコウ様は人事部を設置しておらず、60歳になる専務がお一人で採用全般を切り盛りされており、他の業務もあってご多忙な中で、若い世代に適したコミュニケーションツールやメッセージを検討するのが難しい状況でした。社長の池松様は、採用担当の後継者育成や、属人的ではない採用基準をしっかり設けたいというような課題感を抱いているように見受けられました。

コロナ禍の制約がある中、採用プロジェクトが始動

——企業様にご提案するプロ人材は、どのような流れで決めていったのでしょうか?

中西さん:まずは私がサンコウ様の池松社長や担当者のヒアリングし、要件定義を実施しました。そして、自信を持ってお勧めできるプロ人材2名を推薦し、面談にて比較検討を実施していただき、関口照輝さんの支援が決定しました。

関口さんは、新卒入社したユニクロで店長を務め、リクルートライフスタイル(現・リクルート)でホットペッパーグルメの新規顧客拡大に従事した後、ラーメン専門店「一風堂」などのブランドを国内外で多店舗展開する力の源ホールディングスの拡大時期の採用責任者として、全国を飛び回って人材採用を行ってきた方です。関口さんの活躍が認められ、力の源ホールディングスはマイナビ×日経「人気企業ランキング九州エリア給食・フードサービス部門」で2年連続1位になっているんですよ。

—— プロジェクトが始まってからは、どのように仕事を進めたのでしょうか?

中西さん:実際の支援内容は、池松社長と専務、そして関口さん、両者との面談を重ねながら決めていきました。

池松優充社長

サンコウの池松優充社長

導入前に意識していたこととしては、情報収集、目標達成に向けたアクションなど、フェーズを分けて支援していくことを社長と専務にご理解いただくこと。同時に、プロジェクトに対する同社の期待を現在の同社のリソースや体制を前提にどのように実現できそうかを議論したり、プロジェクトが始まってからも伴走支援を行っていくことを伝えました。

ただ、プロジェクトが始まったのが2020年5月で、ちょうどコロナで会社説明会などオフラインでの活動ができなくなった時期でしたが、関口さんがInstagramの採用アカウントの開設、Zoomを活用したオンライン採用説明会の開催、オンラインインターンシップの導入など、新しいチャレンジを提案くださいました。それをサンコウ様にもご理解いただいて実現すべくサポートを行っていきました。

—— 関口さんにもお聞きします。コロナ禍で新卒採用を行うのは関口さんにとっても初めての挑戦だったと思いますが、工夫した点や意識した点を教えてください。

関口さん:コロナ禍での採用はどの企業にとっても初めてのことだったので、まずは採用市場や学生に今何が起きているのか、何が起ころうとしているのかを把握すると共に、他社の取り組み動向を調査しました。

そして、自分の考えや経験のみで提案するのではなく、調査結果に基づき、他社はなぜそれをやるのか、それをサンコウ様に置き換えてもやるべきなのか、もっとサンコウ様らしいやり方は無いか、 というステップを踏んで提案しました。そうすることによって、コロナ禍という初めての状況の中でも、お互いに納得感をもって意思決定できると考えたからです。

また、コロナ禍に関係なく、同社にとっては初めての施策が多かったため、いきなり「〜しましょう」と言っても当然理解してもらいづらいと考えていました。現状把握と共に、「変えるもの」と「変えないもの」、ホームページなどのクリエイティブの中で「新しく作る必要があるもの」は、その理由を整理してコミュニケーションを重ねるよう意識しました。その時に使う言葉も、よくあるカタカナの専門用語はできる限り使わず、デザインの外注先の選定や見積り交渉など、サンコウ様の立場に立ってディレクションも担当しました。

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人事領域のプロフェッショナルとして活躍する関口さん

—— 関口さんにとって中西さんはどんな役割でしたか?中西さんがいてくれて助かったという具体的なエピソードがあれば、それもお伺いしたいです。

関口さん:私も独立してすぐの案件だったということもあり、1人で組織の中に入り込んでいくことに多少不安がありましたが、中間に立っていただくことによってスムーズに進行できて大変助かりました。中西さんのお陰で推進力が2倍以上になったと思っています。

後継者育成を行いながら、採用母集団の4倍増に成功

—— 中西さんの工夫した点や意識した点も教えてください。

中西さん:カスタマーサクセス担当の井竹を含めサーキュレーションチームが一体となって、サンコウ様と関口さんが安心してコミュニケーションを取れるようにサポートしました。特にSlackのチャットコミュニケーションにお客様が慣れていない導入初期は、その使い方を井竹が丁寧にフォローアップするよう努めました。

また、最初は主に専務を窓口として連絡を取っていたのですが、後継者育成を見据えて、ある時点で若手社員にも参画してもらい、プロジェクトを主体的に進めてもらうように進言したのは、自分なりに良いと思える提案でした。

—— 池松社長の抱える課題を汲んでいたからこその、必要な提案でしたね。最終的には、どのような成果が出たのでしょうか?

中西さん:関口さん主導で、新卒採用における全体戦略の設計を行い、採用ホームページや採用ムービーを作成してもらっただけでなく、Instagramで採用アカウントを運用したり、年間を通じたオンラインインターンシップ制度の導入にも挑戦していただくことができました。

採用HP:
http://www.sankou-s.com/recruit/
Instagram採用アカウント:
https://www.instagram.com/sankou_recruit/
採用ムービー:
https://youtu.be/nqwYG7qSWxg
https://youtu.be/mbB1Tqs0HQQ

その結果、4名の新卒が採用でき、とても喜んでいただけました。今までは、そもそも母集団形成ができておらず、5名前後の応募者から2~3名を選ぶような形だったそうなのですが、今回のプロジェクトの成果としてやる気溢れる学生からのエントリーが20名以上あり、非常に優秀な学生を採用できたとのフィードバックを池松社長からもいただいております。

—— 素晴らしい成果ですね。その成果を得るために中西さんが工夫したことがあれば教えてください。

中西さん:サンコウ様と関口さん、両方の目線に立つことです。客観的に第三者のポジションで双方のフォローを行い、「協力体制が一番重要です」ということを常に伝えていました。企業側、人材側の状況把握を定期的に行い、チームとしてうまくいくためのサポートが自分の役割だと思っています。

—— 関口さんはサンコウ様のお仕事をお手伝いしてやりがいが感じられた部分、嬉しかったエピソードなどがあれば教えてください。

関口さん:サンコウ様のことを知れば知るほど、社内に素晴らしい力をもった社員がたくさんいることに気付き、共に採用活動を推進していく過程にやりがいを強く感じました。サンコウ様にとって初めての取り組みばかりを提案していたので、結果が出るまでは緊張の連続でしたが、結果として良い成果が生まれ、「挑戦してみて良かった」と言っていただいた時は、安堵すると共に、とても嬉しかったのを覚えています。

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サンコウの若手社員の皆さん

—— 関口さん自身が強くやりがいを感じられるプロジェクトになったのは素晴らしいですね。同じく中西さんにとってやりがいを感じられたところはどこでしょうか?

中西さん:今回のプロジェクトを通して、専務も後継者の若手社員も目がイキイキと輝いてきたことが嬉しかったですね。自社の良さを言語化し、再認識できたことで、未来を語れるようになったからではないかと思います。

ただ、私としては、お客様とプロ人材の橋渡し役として当然のことをしたまでです。カスタマーサクセス担当の井竹の強力なバックアップもあり、サーキュレーションの組織力がしっかり発揮できたことは良かったなと思います。

元銀行員というバックグラウンドを活かし、人材不足の課題一点ではなく、財務戦略なども相談いただけるような、経営者の頼れるパートナーになっていきたいと思っています。

—— まさに中西さんの経営者の懐に入って信頼を得るコンサル力とサーキュレーションの組織力が活きたプロジェクトの事例でしたね。本日は素敵なお話をありがとうございました。

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サーキュレーション九州支社のメンバー

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この取り組みに共感いただけた、参考になったという方は、他の「フリーランスパートナーシップアワード2021」ファイナリストの記事もご覧ください。そして、ぜひ大賞決定の投票もお願いします!

■フリーランスパートナーシップアワードとは
プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が、フリーランスおよびフリーランス活用企業の更なる成長・活躍と、マッチングサービス業界の健全な発展を目的に開催しています。
5万4千人を超えるフリーランス協会会員・フォロワーに、未来に繋がる良い事例をWEB投票で選んでいただき、最も得票数の多かったファイナリストをアワード対象者として表彰します!
最終結果発表・授賞式は、11月1日(月)18:00-19:00にオンライン配信。ファイナリストが勢ぞろいするトークセッションもお届けしますので、ぜひご視聴ください!
▽活用企業部門:雇用形態や勤務場所にとらわれずに多様な人材をチームの一員として招き入れることで事業成長に導いた企業
▽エージェント部門(個人):フリーランスのチカラが最大限に活かせる環境を見出し、マッチングを支援したマッチング企業の担当者
※投票は1人につき1票となります。

▽活用企業部門 ファイナリスト一覧
・株式会社アナムネ
 https://note.com/frepara/n/ndaef15e81b18
・神戸市
 https://note.com/frepara/n/n81ea6ee0ac11
・山川醸造株式会社
 https://note.com/frepara/n/n18a59c03e0a8

▽エージェント部門(個人) ファイナリスト一覧
・中谷香織さん(エッセンス株式会社)
 https://note.com/frepara/n/ne9b7dbc662e9
・光宗拓哉さん(レバテック株式会社)
 https://note.com/frepara/n/n394091fc7120



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