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あなたは海派? 山派? 文化派? 徳島のワーケーションがアツイ!!

徳島県といえば、何を思い浮かべますか?

阿波おどり、渦潮、徳島ラーメン・・・。そのあたりが、一般的なイメージかもしれません。

かくいう私、フリパラ編集部の児玉も、8年前に訪問した際、渦潮を見て、徳島ラーメンを食べて……たったそれだけで徳島を知った気になっておりました(徳島県の皆様、ごめんなさい!)。

そんな徳島”初心者”の私が、11月末に徳島県の南部、西部、東部を、縦横無尽に動き回ってまいりました。目的は、徳島県とフリーランス協会とがタッグを組んだ「徳島ファン」創出プロジェクト。フリーランスや副業人材向けに同県の魅力を探索・発信する取り組みです。

ところで、徳島はリモートワークの先進地だということをご存知でしたか?

2002年から10年にかけて、全県にCATV網を整備したため、山間部であってもWi-Fiが繋がるという恵まれた環境にあります。その利点を生かして誘致したのが、都心にオフィスがある企業のサテライトオフィス。徳島県東部にある神山町は、サテライトオフィスを誘致した街として一躍有名になりました。

神山町では2024年度に、未来の起業家を育てる学校「神山まるごと高専(仮称)が開講予定。創立者にはビジネス、イノベーション、テクノロジー、デザイン分野で活躍する起業家が名を連ねています。

また神山町の近くにある上勝町は、日本で初めて、ゴミを出さない持続可能な暮らしを目指す「ゼロウェイスト宣言」をした町。SDGsへの関心の高まりの影響で注目されています。

そうした多彩な魅力を持つ徳島県が、仕事とレジャーを両方楽しむ滞在の方法として推進しているのが、旧国名をもじった「阿波」でのワーケーション、「アワーケーション」です(阿波おどりをしながら、ワーケーションすることではありませんのでご注意を!)

徳島県が作成した「アワーケーションMAP」を見ても、ワーキングスポットの充実ぶりがうかがえます。

地図に掲載されていないワークスポットも続々誕生!

ということで、今回は、7日間の徳島滞在で見えてきた、アワーケーションのこんな魅力やあんな魅力を、海派/山派/文化派の3つの軸で、お届けします。きっと、読んだ後には、アワーケーションに行きたくなっているでしょう。

海好きは、迷わずに南へGO! 平均気温17度超えの牟岐町で、サーフィン、スキューバ、釣りを楽しもう!

徳島県の南部は「南阿波」と言い、SUP、サーフィン、シーカヤック、ダイビング、釣り、ウミガメとのふれあい体験などが可能で、マリンスポーツのみならず、海にまつわるアクティビティの宝庫です。

ちょっと庭先に出かけるように、海辺に行ける

ワーケーションしたい人にとって魅力的なのは、美しい海もさることながら、海の真横に、まるで「海の家」並みの距離にコワーキングスペースがあること。

フリーランス協会の仲間たちと「モラスコむぎ」で「アワーケーション」体験を実施

今回の訪問中、海の近さで驚いたのは、2021年10月にオープンした牟岐町の「モラスコむぎ」。
もともと「貝の資料館」だった施設をリノベーションし、洗練されたオフィス家具だけではなく、貸し出しモニターやテレワークブースも完備。仕事のしやすい環境作りへのこだわりを感じる場所です。

コワーキングスペースの利用は4時間500円
コワーキングスペース料不要で使えるワークスポットも!
牟岐町は徳島駅から車で1時間半、大阪駅から高速バスで4時間の場所

南阿波の牟岐町にはいくつか島があり、その一つの大島は、全国の釣り人に人気の無人島。黒潮の恵みを受けた栄養のある水を求め、多様な魚が集まります。内湾にある「千年サンゴ」という水深23メートルの海底に棲息する高さ9メートルの巨大サンゴは、1000年以上生き続けているのだとか。長寿ですね。

さて、牟岐町の宿泊先の定番は民宿です。素泊まり、朝食付き、1泊2食付きと選べ、素泊まり3,000円〜、1泊2食でも7,000円台と割安で泊まれるのは、長期滞在派のワーケーションユーザーにはありがたいですよね。

もし、長期滞在できるのなら、訪れたいのが、牟岐町の離島「出羽島」。車が走らない町として、子育て世代の移住者が増えているのだそうですよ。

山派は、日本三大秘境「祖谷(いや)」でトレッキングはいかが?

徳島の西部「にし阿波」は、山あいの美しさが神秘的な地域で、近年「日本のチベット」と言われるほど。コロナ禍以前は、インバウンド人気が高かったことが分かる景観が広がります。

山深い風景が広がっている

中でも、外国人の心を掴んだのは、日本の三大秘境の一つ、「祖谷(いや)」です。

かずら橋(写真:三好市公式観光サイトより)

祖谷の手前にある、日本百名山の一つ「剣山」に登るのもよし。祖谷の奥に入り、トレッキングをして、「シラクチカズラ」という自生植物を編んで作られた「かずら橋」を渡るもよし。川下りや沢登りを楽しむもよし。山遊び好きには堪らない場所になるでしょう。

そんな秘境「祖谷」を擁する三好市には、”山村ワーケーション”にぴったりな宿泊施設があります。その名は、heso camp。古民家をゲストハウスに改修し、その離れにはワークスポットも完備。宿泊と仕事場が分かれている環境は、メリハリをつけて働きたい人にはぴったりの場所でしょう。

季節が良い日は縁側でぼーっと読書でもしたくなる(写真:heso camp HPより)
家族や友人とのワーケーションに良さそう!(写真:heso camp HPより)

また、heso campの系列店で、三好市内に位置するheso salonでは、三好市の特産品であるジビエ料理が食べられます。

鹿や猪などのジビエ料理

鹿や猪のソーセージや、グリルなどは、ジビエと思えないほどクセがなく食べやすかったです。heso salonの窓際にワークスポットにもなる場所を発見。電源もWi-Fiも完備です。

夕飯前に、コーヒーを飲みながら、ここで仕事をするのも良さそう!

また、三好市内でがっつりと仕事をしたい人には、交流センターMINDEのコワーキングスペースがオススメです。2階にコワーキングスペース、1階にはカフェや日本酒バーも併設しているため、一日中いられますね。

1時間100円、1日いても500円とリーズナブル
天気の良い日は、外でも仕事が可能

150年前にタイムスリップできる町で、昔ながらの「ものづくり体験」を

にし阿波の中でも、東端にあるのが「うだつの街並み」で有名な美馬市です。

「うだつ」とは、江戸時代の民家で、建物の両側に「卯」の字形に張り出した小屋根付きの壁のこと。この「うだつ」を上げる(設置する)には費用がかかり、裕福な家でないとできないことから、出世できないことを「うだつが上がらない」と言われるようになったそうです。

美馬市には、この「うだつ」など、江戸情緒溢れる街並みが多く残っています。メインストリートは、新幹線の16編成車両と同じ長さがあり、歴史好きの人は歩くだけでワクワクする道。ワーケーションするなら、宿泊先はメインストリート沿いにある宿「ペイサージュ モリグチ(Paysage Moriguchi)」がオススメです。

ペイサージュ モリグチ(Paysage Moriguchi)の入り口

同じストリートにある古民家を改修したコワーキングスペースの「森邸」や複合文化市庭「うだつ上がる」のカフェで仕事をしたら、時空を超えた気分になれるかも!?

森邸でワーク体験。椅子の高さを座布団で調整すればデスク並みの快適さ

仕事の合間にリフレッシュとなるのが、美馬ならではの「藍染め」体験。徳島県は実は、藍染めの元となる藍染料「蒅(すくも)」づくりの本場です。メインストリート沿いにある美馬市観光交流センター横の藍染工房では、その蒅づくりの見学や、ハンカチやTシャツを使った藍染めを体験できます。

所要時間1時間以下、ハンカチ1000円〜1500円の価格で体験できる気軽さが良い

和傘づくりも美馬ならではの体験となります。美馬ではかつて多くの和傘店が軒を並べていた歴史があります。そうした伝統を引き継ぎ、「美馬市伝統工芸体験館 美来工房」では、竹を組み立て、和紙を思い思いに装飾してオリジナルの和傘を作ることができます。

和紙を使ったランプシェード。好きな色の和紙を選ぶのも楽しい

メインストリートには折り畳み自転車のレンタル店も誕生。自転車でぶらっと散策する「ポタリング」も楽しめます。

カバンに仕事道具を詰め込んで、出かけるのも良し!

ポタリングで訪れたいのが、複合施設の「ADLIV(アドリブ)」。ゲストハウス、コワーキングスペースやカフェ、キッズスペースを備えています。

元印刷工場をリノベーション。遊び心がある内装にワクワクする

ADLIVを運営する「ナカガワ・アド」は、もともと印刷会社でしたが、広告代理店に業態転換した後、印刷工場を複合施設にリノベーションしたとのこと。施設内に宿泊場所もキッチンもあるため、まさに仕事とレジャーを両方楽しむ「アワーケーション」にぴったりの場所と言えそうですね!

12/21に開催したオンラインセミナーとは?

以上、7日間の滞在で気づいた、ワーケーション先としての徳島の魅力をまとめましたが、本当はもっともっとお伝えしたい!のです。
ということで、2021年12月21日に開催したオンラインセミナーの動画をこちに掲載します。

セミナーでは、記事内で紹介した「モラスコむぎ」「heso salon」「ADLIV」の運営者などにご登壇いただき、徳島でのワーケーション(=アワケーション)について、お話しいただきました。

【イベント概要】
◆日時:12/21(火)12:00〜13:00
◆対象:ワーケーション先について知りたい方、徳島県に関心のある方
◆視聴方法:zoom※お申込者にzoomIDをお知らせいたします。
◆参加費無料

【スケジュール】
12:00 オープニング・登壇者紹介
12:05 徳島はどんなところ?徳島でできるアワーケーションとは?
12:10 150年前にタイムスリップ!「うだつの街並み」の美馬市周辺でできる、アワーケーション(印刷工場をコミュニティ複合施設ADLIVにリノベーションしたナカガワ・アド株式会社代表の中川和也様より)
12:20 「日本のチベット」と呼ばれる日本三大秘境「祖谷(いや)」周辺でできる、アワーケーション(「ヒトやモノの往来の促進」を目指すオウライ株式会社代表の西崎健人様より)
12:30 海好きには堪らない!牟岐町でできるアワーケーション(モラスコむぎの施設所管課 牟岐町産業課地方創生室 青木広大様・松下誉様より)
12:40 ブレイクアウトルームで個別ディスカッション
「登壇者のコワーキング運営者と語ろう、フリーランスが喜ぶサービスや交流とは?」
12:55 クロージング
13:00 閉会

【登壇者】

〇西崎 健人(にしざき たけひと)
オウライ株式会社 代表取締役
栃木県宇都宮市出身。早稲田大学卒業後、人材系ベンチャー企業、新会社の事業部立上げを経て、前職ビジネスコンサルティング会社に入社。事業責任者として都会と地方の資源を循環させる農業事業の新たな収益モデル作りに従事。生産・加工・販売の垂直統合を実践し、物販・飲食事業を立上げる。 2014年徳島県三好市に移住・起業。「ヒトやモノの往来の促進」を目指し、オウライ株式会社を立ち上げ、代表取締役就任。https://o-rai.co.jp/

〇中川 和也(なかがわ かずや)
ナカガワ・アド株式会社 代表取締役社長
徳島で印刷・広告業を運営。3代目。『私たちは広告を通じ、価値ある喜びと感動を創造する人である。』を企業理念とし、従来の印刷/広告事業者としてのノウハウを生かしながら、地域資源である『食と農』をデザインし、そこに生まれるコミュニティ施設の運営も含めた価値向上を事業展開。
食・農に特化したデザインプロジェクト。 食と農を応援する事業部「あど畑事業部」を持ち、自社ブランドの「ベジハッピー」を展開、キッチンカーも所有しており、地域の食を口元まで届ける活動・マーケティングにも活用。自社圃場のベジ畑も運営しており、少量多品種の野菜を実証的に栽培。ピクルスなどのブランディングも手掛ける。6次産業化プランナーとしても活動。 2018.6地域交流拠点「ADLIV」を立ち上げ、印刷工場をリノベーションし、コワーキングスペース・簡易宿泊所・飲食業を運営し、交流人口・関係人口の増加に寄与。 そんなアイデアが形になったコミュニティー複合施設、ADLIV(アドリブ)の運営も行う。 http://www.adjapan.jp/

〇青木 広大(あおき こうだい)写真:右
徳島県牟岐町出身。民間企業を勤めた後、2011年牟岐町役場に入庁。
教育委員会→税務課→教育委員会→産業課地方創生室に至る。教育委員会では社会教育を担当し、県内外大学生が運営する「NPO法人ひとつむぎ」と共に町内中高生を対象にしたキャリア教育支援に携わっていた。
産業課地方創生室でも同様に大学生や大学機関を中心に、産官学が連携し地域課題解決に携わっている。
牟岐町に入ってくる県内外の若者が、地域課題解決に地域の方々と協働で関わることで、いつの間にか「牟岐のファン」や「第2の故郷」と感じ、牟岐を応援する人々を創出している。

〇松下 誉(まつした ほまれ)写真:左
1972年生。徳島市・奈良市出身。龍谷大学経済学部卒業後,1997年牟岐町役場入庁。
2006年の「徳島県後期高齢者医療広域連合」への出向を契機に,2019年まで医療保険制度に携わる。2020年に産業課地方創生室に異動。青木係長の下,関係人口拡大事業副担当として従事。現在に至る。2児の父。趣味は,ドライブ・TVゲーム・ガンプラ・将棋観戦・ミステリー小説・映画ドラマ鑑賞など。愛車はTOYOTA86。長渕剛・浜田省吾ファンでもある。

執筆:児玉真悠子
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・ フリーランス協会 地方創生チーム&フリパラ編集部
株式会社ソトエ代表取締役、一般社団法人日本ワーケーション協会公認ワーケーションコンシェルジュ。ビジネス系出版社を経て、2014年にフリーランスの編集&ライターとして独立。以降、子どもの長期休暇中に、自身の仕事を旅先に持っていく生活へ。各自治体の発信業務に関わる中で、「地域・大人・子ども」にとって三方良しの親子ワーケーションの可能性を感じ、株式会社ソトエを創業。現在、「親子deワーケーション」の企画・運営・発信事業を通じて、仕事と子育てをどちらも大事にできる暮らし方を普及すべく邁進中。twitterは@mayukoda

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