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「徹夜必至な量の仕事依頼」受ける?受けない?意外に知らない「隣のフリーランス」の働き方

得意な語学を生かして会社勤め→イラストレーター・漫画家として独立」というユニークな経歴を持つ小島さなえさん。
本記事では小島さんの著書「外国語をつかって働きたい」(左右社)から、「語学力を活かしたい!」人や、「フリーランスで働きたい!」人にとって気になる&役立つエピソードを紹介していきます。

第2回となる今回のテーマは、フリーランス翻訳者の「働き方」。働き方を選べるのはフリーランスの魅力のひとつだけれど、実はほかのフリーランスがどんなスケジュールで仕事をしているのか知らない人も多いのでは?

記事の後半には、小島さんの描き下ろしマンガも掲載しています。
どうぞご覧ください!

他のエピソードは「外国語をつかって働きたい」で!

「業務量が一定しない」は、フリーランスあるある

『外国語をつかって働きたい!』の第5章では語学力を生かして働いている様々な職業の方への取材をしています。上の漫画は、その中からフリーランス翻訳者Tさんへのインタビュー部分を抜粋したものですが、彼はフリーランスの中でも「自分はちょっと特殊」だと強調していました。

Tさんは昔務めていた翻訳会社から長期的・安定的に仕事を受けているため、タスク管理やスケジュール管理の面ではあまり苦労していないそうですが、一般的なフリーランサーは必ずしもそうではありません。

多くの場合は複数の企業から不定期的・単発的に仕事を受けているため、依頼があまり来ない時期があったかと思えば、逆に複数の依頼が集中してキャパシティを超えそうになる時期もある……というのが「フリーランスあるある」だと思います。

とはいえ、長く仕事を続けている人は、タスクやスケジュール管理についてもある程度明確な自分ルールを持っている気がします。例えば、フリーランス同士で集まると「徹夜しないと終わらない量(もしくは納期)の依頼が来たらどうする?」ということがよく話題に挙がりますが、色々な意見がありつつ、そこにはそれぞれの根拠がある気がします。

(※この漫画は本コラム用に描き下ろしたもので、『外国語をつかって働きたい!』には収録されておりません)

ちなみに私自身は仕事で徹夜はしないと決めているので、上の漫画の中でいう「②断る派」にあたります。ひどい頭痛持ちで、睡眠時間を削ると次の日に体調を崩して寝込んでしまい、結果的に一層スケジュールを圧迫してしまうリスクがあるからです。また体調の悪い時に描いた絵というのは本当にパッとしないので、規則正しい生活を維持することこそが自分がベストな仕事をする肝だと考えています。

これはあくまでも「私の場合」の話ですし、個々人の体力や家庭環境によって変わってくる話なので、①と②のどちらが正しいというものではありません。ただ、少なくとも自分のキャパシティを把握して、できる・できないを適切かつ迅速に判断できることがフリーランスを続ける上で求められるのではないかと思います。

……と偉そうなことを書いてみたものの、私などは年に1回ぐらいは仕事が完全に途切れて暇になってしまうことがあり、その時の焦燥感といったら言葉で表現できません。だからこそ「依頼が来ている時にできる限り受けておきたい」という気持ちと体力的な限界とのせめぎ合いで悩む方の気持ちは痛いほど共感するところです。

※第1回はコチラ→「食いっぱぐれがなさそう」と語学の道を進んだものの、絵を描く仕事への未練が捨てきれず…!?

小島さなえ(こじま・さなえ)
1980年生まれ。大学で中国語を専攻し、1年間の語学留学を経験。卒業後は翻訳・校正スタッフや大学職員として10年間サラリーマン生活を送る。35歳でイラストレーターとして開業し、書籍や広告など様々な媒体にイラスト素材を提供。本書の出版にあたり、漫画家「小島さなえ」として活動開始。

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