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副業や複業で気をつけるべきことは? 節税対策は? 報酬は給料or売上どっち?

こんにちは。
毎日、暑いですね。確定申告前に連続で公開していた、フリーランスやパラレルワーカーに役立つ税務相談を紹介する本連載ですが、今回はスピンオフ企画として、副業や複業についての疑問を、引き続き税理士法人の方々に聞きました。

三者三様の答えを読むことで、税務にはたった一つの正解があるわけではないことや、自分の解釈次第なのだということを感じていただけると思います!

では、「税理士法人大和パートナーズ税理士法人Soogol(スーゴル)税理士法人BlueWorksTaxの解答を見ていきましょう。

第1回:一人カフェ作業、クライアントの忘年会は経費になる? 飲食にまつわる経費の疑問を、税理士法人3社に聞いてみた!

第2回:領収書が手元になくても大丈夫? 交通系ICカードなど、キャッシュレスでの経費処理は?

第3回:自宅を事務所にしている場合は? 光熱費の家事按分やコワーキング併用について知りたい!

第4回:競合調査や出張はどこまで経費になる? 経費計上の線引きに悩む人、必読です!

第5回:税理士さん、スーツを経費で落としていいですか? 確定申告前に知りたい、経費の線引き

第6回:電子申告は何がお得?! 途中で法人化した場合に気をつけることは?


【疑問1】
これから副業をスタートする会社員です。
確定申告する際に気をつけた方が良いこと、準備した方が良いこと、節税対策を教えて欲しいです。

大和パートナーズの見解
まず、副業による所得について確定申告を行った場合、原則として当該部分に対する住民税が勤務先会社に通知され副業が認識される可能性があります。
不要なトラブルを避けるために、事前に会社において副業を行う際に必要な手続きをとる必要があります(なお、確定申告で「住民税に関する事項」欄において普通徴収を選択した場合、会社に通知はいかないことになってはいます)。
次に、副業スタートの段階では売上よりも経費が多く発生し、損失が生ずるケースも多いと思いますが、当該副業が「事業」に該当するものである場合、確定申告においてその「事業」により生じた損失と給与所得を損益通算(利益と損失の相殺)することにより総所得金額が減少し、給与支払時に徴収された源泉所得税が還付される場合がありますので、副業で損失が生じた場合でも確定申告の実施を検討されることをお勧めします。

さらに、同じく副業が「事業」に該当する場合のお話ですが、税務署に開業届や青色申告承認申請書を提出し所定の要件を備えることにより、純損失の繰越控除、青色申告特別控除(65万円/55万円/10万円)という税制上の優遇を受けることができますので、副業の内容によってはこれらの届出、申請を検討されることをお勧めします。

Soogolの見解
副業開始時点の現金預金(固定資産・借入金等もあれば)を把握して記録しておいてください。副業にかかる経費の領収書等、売上の請求書等をもとに帳簿作成をしていく習慣をつけてください。

信頼できる会計事務所と顧問契約をして、税務署等への届出も含め帳簿作成等から確定申告までの相談をしてみてください。節税対策も事業規模・業種等により変わりますので個別に会計事務所に相談してください。確定申告は青色申告で電子申告するよう会計事務所に依頼してください。

BlueWorksTaxの見解
まずは、開業準備期間に支出した事業関連性のある取引の領収書等をちゃんと保管しておくことをお勧めします。開業費というとても便利な勘定科目で計上することができます。

【疑問2】
パラレルワークをしており、給与所得と事業所得があるのですが、確定申告は必要でしょうか。基準となる金額等あれば教えて欲しいです。

  大和パートナーズの見解
給与所得と事業所得がある方については、以下のいずれかに該当する場合は確定申告が不要となります。
・副業がパートまたはアルバイトであって、年間「収入」が20万円以下である場合
・副業がパートまたはアルバイト以外であって、年間「所得」が20万円以下である場合
・副業がパートまたはアルバイトとそれ以外の複数であって、それぞれの「収入」と「所得」の合計が年間20万円以下である場合


なお、ここで言う「収入」とはその副業であるパートやアルバイトで受け取る給料の金額であり、「所得」とはその副業である事業売上から必要経費を差し引いた、いわゆる「利益」の金額を言います。
また、医療費控除等を受けるためには確定申告が必要となりますが、その際には上記に該当する場合であっても、副業部分についても漏れなく確定申告を行うことが必要となりますのでご注意ください。

Soogolの見解
事業所得が年間20万円超であれば確定申告する必要があります。事業所得が赤字の場合、給与所得と損益通算できますので、むしろ確定申告すると、所得税の還付を受けることができる場合があります。

  BlueWorksTaxの見解
給与所得と事業所得があれば基本的には確定申告が必要です。
確定申告が不要となる場合は、事業所得が0円以下(今回は給与所得があるので48万円以下)の時ですが、この場合も事業所得のマイナスを次年度以降に繰り越すために、青色申告をした方がお得です。

【疑問3】
パラレルワーク先の企業から「基本給+成果報酬」を受け取っています。税務上、「給料」もしくは「売上」、どちらの申告になりますか?

大和パートナーズの見解
当該部分が雇用契約等に基づく労務の対価として支払われるものであれば「給料(給与所得)」として申告すべきですし、請負契約等に基づく仕事の結果の対価として支払われるものであれば「売上(事業所得または雑所得)」として申告すべきものであり、いずれの所得として申告するかを任意で選択することはできません。

ご質問の「企業からの固定基本給、獲得案件パーセンテージ」部分は、一般的に雇用契約等に基づく労務の対価と考えられますが、契約内容をご確認のうえ、適切な所得として申告すべきものと考えます。
なお、給与所得に該当する場合は、経費部分を「給与所得控除」として概算控除することができますので、こちらの場合の方が有利となることが多いかと思います。

Soogolの見解
その支払い企業が給与として、又は外注委託費として払うのか確認・相談する必要があります。その案件獲得に対応する必要経費がそれほど多額でなければ給与として受領した方が給与所得控除がある分、税金上は有利と思われます。
その営業にかかる経費の程度と給与所得控除を比較して支払い企業と給与・雇用契約、又は業務委託契約を結んでください。

BlueWorksTaxの見解
「給料」か「売上」かは、こちらで任意に選択できるものではなく、契約形態により決まってくるものと思います。
雇用契約であれば「給料」なので給与所得、業務委託契約であれば「売上」なので事業所得となります。税金面でどちらがいいかという話になると、給与所得で控除できる「給与所得控除額」と、事業所得で売上から差し引くことができる「事業経費」のどちらが多額かということになりますが、一般的には事業経費の方が多くなるのだと思います。
その一方で、事業所得の場合は、日々の記帳や確定申告業務をご自身で行なう等、デメリットもあるので、比較考慮してご検討ください。

いかがでしたか? 副業や複業への関心が高まっている今、参考になる解答だったのではないでしょうか。

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