個人事業主479人に聞いた「青色申告/白色申告」実態調査【後編】 - 税理士ドットコム

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個人事業主479人に聞いた「青色申告/白色申告」実態調査【後編】

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個人事業主479人に聞いた「青色申告/白色申告」実態調査【後編】

税理士ドットコムは、会員の個人事業主・フリーランスに対して、青色申告/白色申告に関するアンケートを実施。その結果、回答者479名のうち88.6%が青色申告を選択している・する予定であるとの回答を得た(詳しくは前編にて解説:https://www.zeiri4.com/c_5/n_1110/)。

後編となる本記事では、青色/白色申告を選ぶ理由や、青色申告者がメリットと感じていること・困っていることについての回答をまとめた。青色にするか白色にするか悩んでる人は是非参考にしてみてほしい。

●青色申告を選択する理由は「特別控除の適用」が全体の9割

まずは「青色申告を選択している・する予定である」と回答した人への質問を見ていこう。

「青色申告を選択する理由」について伺ったところ、「特別控除を適用したい」との回答が全体の9割を占めた。青色申告を選択する個人事業主は、最大65万円の特別控除を魅力と感じていることがわかった。

また、20.3%が「複式簿記での帳簿付けを問題なく行えるため」と回答しており、会計ソフトが一定普及している現状が伺えた。

問:青色申告を選択する理由はなんですか?(複数回答)
【青色申告の特別控除を適用したいため】90.1%
【30万円未満の備品を一括経費として計上できるなど、経費面で優遇されているため】39.7%
【赤字の繰越控除などさまざまな税制優遇が受けられるため】30%
【複式簿記での帳簿付けを問題なく行えるため】20.3%
【税理士などに勧められたため】9.7%
【インボイス導入に伴い課税事業者になるため】8%
【特別控除10万円であれば白色申告と手間がそれほど変わらないため】7.5%
【知人・友人などに勧められたため】7.5%
【特に理由はない】2.2%

なお、「青色申告の特別控除額」を聞いたところ、「65万円」が75.8%と、圧倒的に多い結果となった。

問:青色申告では10万円・55万円・65万円のいずれの特別控除を受けられる予定ですか?
【特別控除65万円】75.8%
【特別控除55万円】8.5%
【特別控除10万円】5.8%
【未定/よくわからない】9.9%

「青色申告にしてよかったと思うこと」という問いには、「特別控除で節税になった」という意見が多く、家族への給与を経費にできる「青色事業専従者給与」や「少額減価償却資産の特例」など、青色申告だけの特典をメリットとして挙げる声が多かった。具体的な回答は以下のとおり(抜粋して紹介)。

問:「青色申告にしてよかった」と思うことはありますか?
・経費にできるものが少ないので特別控除で節税になった
・家族への給与を全額経費にできた
・手間は掛かるものの、経費にできる範囲が広い
・少額減価償却資産の特例で、経費をほぼ一括計上できる点が良い
・創業時は軌道に乗るまで売上を上げるのが難しいため、赤字の繰越はメリットがある
・起業時は経費がかさみ赤字申告だったが、翌年の黒字と相殺できた
・経理ソフトを使えばわりと簡単に65万円の控除が受けられる
・e-Taxで65万円の控除が受けられて、申請もスムーズ

このように、白色申告に比べてメリットが多い分、青色申告は作業が煩雑そうなイメージを持つ人も多いだろう。そこで「青色申告で苦労していること」についても質問。

「領収書や明細書などの保管」「個人用と事業用のお金の区別」「売上・経費の集計作業」など、結果が分散した。

問:青色申告で苦労していることや困っていることはありますか?(複数回答)
【領収書や明細書などの保管】38.7%
【個人用と事業用のお金の区別】31.5%
【売上・経費の集計作業】26.6%
【複式簿記での帳簿付け】22.5%
【計算ミスや申告漏れの対応】21.5%
【会計ソフトの導入・操作】20.8%
【申告書の作成】13.8%
【まだ青色申告で確定申告をしていない】6.1%
【特に苦労したり困ったりしたことはない】19.4%

●白色申告者で「青色申告のメリットを知らない」割合は約2割

「白色申告を選択している・する予定である」と回答した人へは以下の質問をした。

・白色申告を選択する理由
・青色申告のメリットで知っていること
・今後青色申告にする予定はあるか

それぞれの回答は以下のとおり。

問:白色申告を選択している・する予定である理由はなんですか?(複数回答)
【売上が少ない、または赤字のため】76.7%
【帳簿付けが簡単(青色申告の複式簿記が難しそう)なため】62.8%
【青色申告はなんとなく面倒そうなため】37.2%
【会計ソフトを利用していないため】27.9%
【経費が多いため(青色申告特別控除が必要ない)】20.9%
【青色申告のメリットがよくわからないため】16.3%
【青色申告をするメリットがないため】11.6%
【知人・友人などに勧められたため】4.7%
【青色申告の承認申請書の提出期限に間に合わなかったため】4.7%

問:青色申告のメリットについて、ご存じのものを選んでください(複数回答)
【最大65万円の青色申告特別控除が受けられる】76.7%
【損失(赤字)の繰越控除・繰戻還付が行える】44.2%
【生計を一にしている配偶者や親族に支払う給与を全額経費にできる(青色事業専従者給与)】37.2%
【30万円未満の備品を一括経費として計上できる(少額減価償却資産の特例)】34.9%
【青色申告特別控除が10万円の場合、帳簿付けや必要書類の作成は白色申告とほとんど変わらない】9.3%
【いずれも知らない】18.6%

問:今後青色申告を選択する予定はありますか?
【はい】9.3%
(その理由)
・青色申告のほうがお得
・事業を拡大するから

【いいえ】37.2%
(その理由)
・収入が多くないため
・青色申告のやり方がわからない

【決めていない/わからない】53.5%
(その理由)
・青色申告だと自分では出来ないから
・収入が未定のため
・売り上げ次第では検討
・費用が掛からないのであれば考える
・青色申告がよくわからない
・作業を増やすつもりがない
・インボイス制度についてもう少し検討してから決める予定
・税理士に相談するお金がない

「いいえ」や「決めていない」と回答した理由としては、上記のように青色申告の手間やかかる費用に言及するコメントが多かった。

なお、2014年からは白色申告も帳簿の作成が義務付けられているが、それについて「知っているか」という問いに対して、「知っている」が58.1%、「知らない」が41.9%だった。

●来年から青色申告にするなら、次回の確定申告時に申請手続きを

今回、個人事業主に行ったアンケートでは、今年の確定申告は約9割の人が青色申告でする予定だという結果になった。さらに青色申告の特別控除は65万円を選択する人が7割を超えることがわかった。

一方で白色申告者は、「売上が少ない」「青色申告よりも帳簿付けが簡単」などの理由で白色申告を選択していることが明らかになった。なお、今年は白色申告を選択している人の中にも、2024年は青色申告にするか迷っている人が半数に上る結果となった。

青色申告の承認申請書の提出期限は、原則「青色申告を始める年の3月15日まで」(1月16日以降に事業を開始した場合は開始日から2か月以内)となっている。そのため今年事業を開始して、2024年以降青色申告にするか迷っている人は、次回の確定申告の際に一緒に申請手続きを行うといいだろう。

※アンケート実施期間:2023年5月12日〜5月22日、調査方法:税理士ドットコムに登録のある個人事業主に対しインターネットで実施、有効回答数:479

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