「副業1つ」はもう古い 全部入りマルチワーカー活躍
働き方innovation 一つの仕事で満足ですか(6)
主と副の2つという形の副業にとどまらず、多くの仕事を並行して手掛ける「マルチワーカー」が活躍している。バランス感覚が求められる一方で、1つの仕事の人脈を別の仕事に生かすなどの好循環が、高い評価につながるケースもある。収入増やスキル向上のほか、リスク分散の効果も見込めそうだ。
- 【前回記事】みずほ、副業で武者修行 リスクと利点てんびんに
「レストランのビュッフェのように、仕事でも好きなものをいくつも選んでいいはず」。人材大手のパーソルキャリア(東京・千代田)に勤める正能茉優さん(29)は、新規事業企画に取り組む傍ら、会社経営と大学教員の顔も持つマルチワーカーだ。会社員生活と同時に複数の仕事を並行させる働き方を、新卒時の2014年から続けている。
パーソルキャリアでは平日週5日、原則午前9時から午後6時の時間帯を中心に、他の社員と同様に働く。同時に、学生時代に起業した地方産品のプロデュースなどを手掛ける「ハピキラFACTORY」社長と、慶応大大学院特任助教という別の2つの顔も持つ。
経営者と大学教員の仕事には、会社員としての就業時間の前後や週末、昼休みやタクシーでの移動時間などを駆使して取り組む。パーソルキャリアの同僚とは、ハピキラ社や大学を含めた全ての仕事の予定を共有。隙間時間で打ち合わせるなど効率化を図っている。早朝から稼働し「基本的に昼は休まない」というほど多忙だが、一方で友人と会ったり映画を見たりと、プライベートも必ず予定に組み込みながらバランスを取ってきた。
そんな働き方の契機は、11年の東日本大震災だ。
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