再考セーフティーネット 正規雇用前提の制度見直せ
小塩隆士・一橋大学教授
○同じ年収で非正規の負担重くなる場合も
○生活保護で高齢層の貧困問題対応できず
○保険料負担は賃金でなく所得をベースに
日本のセーフティーネット(安全網)は、企業や官庁に勤務する正規雇用者を暗黙裏に念頭に置いて設計されている。被用者保険の保険料は、扶養家族の数とは関係なく、給与に比例する形で天引きされる。定年を迎えると、厚生年金の受給がほぼ同時に始まり、多くの人が年金生活に移行する。正規雇用者...
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