転職先選びの軸変化 「働きがい」から「働き方」に
新型コロナウイルス禍を受け、転職先を選ぶ基準が変化している。人材サービス大手エン・ジャパンの調査によると、転職希望者のうち4割がコロナ禍で企業選びの軸が変わったと回答した。新たに重視する軸は働き方や将来性が上位となった。「以前は給与や仕事のやりがいなどが上位で定着していたが、新型コロナで従来と違った軸に移っている」(同社)という。
企業選びの軸が変わったとした人に、特に重視するようになったことを複数回答で聞くと「希望の働き方(テレワーク・副業など)ができるか」が42%で最も多かった。回答者からは「現在働いている会社がテレワークの導入をためらっており、社会情勢に柔軟に対応できる会社に魅力を感じた」(29歳女性)や「健康な体があっての仕事だ」(41歳男性)との意見があった。
これに続いたのが「企業・事業に将来性があるか」で38%だった。「新型コロナの影響で休業を余儀なくされるスタッフが多く、転職を決意した」(29歳女性)との声もあり、長引くコロナ禍で企業の経営体力がみられつつある。
企業選びの軸が変わったとした年代をみると、30代が44%で最も高かった。エン・ジャパンの転職サービス「エン転職」の岡田康豊編集長は「今後長く働く世代で、柔軟性や弾力性のある企業で成長しながら長く働けるかをみている」と分析している。
調査は2020年11月下旬から21年1月下旬まで「エン転職」の利用者を対象にネットで実施し、1万1536人から有効回答を得た。
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