音楽ライブ支える「裏方」支援 基金に1.6億円寄付
音楽ライブに関わる事業者やフリーランスを支援する基金「Music Cross Aid」に、昨年6月の創設以降、約1億6700万円の寄付が寄せられた。同基金はこれまでに2回の助成プログラムを実施し、助成総額は約6000万円に上る。26日に第3回の助成プログラムの公募が始まった。
「Music Cross Aid」は日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、コンサートプロモーターズ協会の業界3団体が設立した。音楽ライブは、ミュージシャンやコンサート事業者だけではなく、音響、照明、ステージ制作や楽器管理を担う多くの「裏方」に支えられている。新型コロナウイルス感染症の影響で、活動の継続が困難となっている事業者やスタッフを支援する。
業界を越えた企業から支援があり、コンサートや配信ライブの収益の一部を寄付する動きが盛んだ。オンライン寄付サイトを通じて個人からの寄付も寄せられている。助成額は個人が最大20万円、法人が最大100万円。これまでに個人で130件、法人で36件が採択された。
コンサートプロモーターズ協会の長井延裕常務理事は「音楽業界自らが立ち上がった共助の仕組みだ。(行政の経済支援策が)直接届きにくい人に、できる限り手を伸ばしたい」と語る。
新型コロナの収束後も「やむを得ず音楽の仕事を離れた人や、クリエイティブな活動をする若い人を支援する基金として使えるのではないか」(同氏)と見据える。第3回の助成は2月9日まで受け付ける。
(北村光)