学び直しに収入増の効果、内閣府分析 OJTや海外留学
内閣府は「リカレント教育(学び直し)」の実施で、収入が増える傾向が強まるとの分析結果をまとめた。職場内訓練(OJT)から海外留学までの幅広い学び直しで効果がみられた。
2020年2月から3月にかけて3万人を対象に調査した。公的職業訓練、OJT、「オフJT」と呼ぶ社外勉強会などでの研さん、自習や留学といった自己啓発、副業の5つに分類し、学び直しをした人と、していない人の収入の変化を14年から19年の間で比較した。
内閣府の推計によると、公的職業訓練以外の4分類では、学び直しをした人の方が「1割以上収入が増加」と回答した割合が8.1~13.4ポイント高かった。たとえばオフJTの学び直しをした人では、1割以上収入が上がった人の割合が45.7%となり、していない人を13.1ポイント上回った。
公的職業訓練はサンプル数が少なく、有意な変化がみられなかった。
有業者のうち過去1年間にリカレント教育を実施していない人の割合は86.9%と高く、学び直しに取り組む人は全体から見るとまだ少ない。実施している人の割合を就業形態別にみると、正社員の14.7%に対しパートは7.5%、アルバイトは10.8%と低かった。内閣府は「雇用主が提供する研修機会が少ないことを反映したようだ」と分析している。