「毎日1%努力すると1年後に37.8倍に成長するという法則は、じつは365回の掛け算の連続だけでは無理」という話し。

2023年5月15日
全体に公開

1.01の法則、0.99の法則」の話は、誰しも一度は聞いたことがあるではないでしょうか。

正式名称はわかりませんが、要は、1を何回かけても答えは1になる。よって、1の365乗は1。ところが、1が1.01になると、1.01の365乗は37.8になり、逆に1が0.99になると、0.99の365乗は 0.03となるということを、「努力する姿勢」と絡めた逸話です。 

これが何を意味しているかというと、1が通常モードの自分だとすれば、+0.01した1.01の自分は努力した自分。例えば、早起きして英単語を覚えたり、5分だけ早く会社に行って作業をしたり。つまり、少しでもプラスアルファの努力があれば、それを毎日(1年間=365日)継続することで、1年後には37.8倍に成長した自分がいることになるという理論です。

一方で、-0.01は怠けた自分です。つまり、早起きしないでいつまでも寝ているとか、部活動の練習で疲れて家で勉強しないとか。そうした少しマイナスな毎日を過ごすと、1年後にはなんと現在の0.03倍になってしまうということを示しています。0.03倍は、やっていないに等しいといえます。

スタートは1.01と0.99の差分だったのに、1年間経つと37.8と0.03の差になり、そのひらきは約1,260倍となります。つまり、「1.01の法則、0.99の法則」は日々の少しのがんばりの差分が、1年後には大きな格差となってあらわれるということを伝えています。1年後、37.8の自分になるのか、0.03の自分になるのかは、毎日のちょっとした継続で決まる、というのがこの話の趣旨です。

この法則の言っていることはよくわかります。小さな努力をコツコツと積み重ねていく姿勢は、とっても大事。テクニックっぽい話しばかりして実体験修羅場不足な人が大嫌いで、真正面からモノゴトに向き合って量稽古する人を尊敬している自分としては、努力を厭わず積上げいく姿勢、ムチャクチャ正しいと思っています。

そう思っているのですが、それでも、「本当に37.8倍を狙うのであれば、1%の積み上げの延長線上にそれを求めてはいけない」とも思っています。

例えば、

毎日1個の作品を作る職人が、1年間コツコツ努力を続けたら、1日37個の作品を作れるようになるでしょうか?

毎日1件の商談が限界だった人が、1年間頑張ったら、1日37件の商談をこなせるようになるでしょうか?

5分で1問解いてた子が、1年間勉強し続けたら、5分で37問も解けるようになるでしょうか?

これは到底難しいですよね

何が言いたいかというと、成長や生産性の向上には、天井があるということです。積み上げで向上していくのには限界があるのです。だから、ある程度いくと「連続ではない何か」、すなわち「非連続」が必要になるのです。

では、「非連続」とは何かというと、これまでやっていたことをやらないで済むようになることや、これまでのやり方より賢いやり方を見出していく、ということです。コツコツ努力ではなく、ガラリとシフトチェンジすることが必要なのです。

大きな目標の達成のためには、365回の掛け算の連続性だけでなく、非連続の挑戦を視野に入れること、ぜひ、お大事に。

ちなみに、この話しは、どちらがイイとか、両者の間に優劣があるとか、そういったことを伝えたい訳ではありません。「日々の経営においては連続も非連続も両方必要」ということです。そして、同じような話として、ちょうど1年前に投稿した、「垂直思考と水平思考」があります。

相反することを併せ持って大事にすること

その結果、どちらも大事だからうまくバランスを考えるという判断もアリ、そして考えた結果、どちらか一方に全振りするという決断もアリ

何が正しいかという正解を探すのではなく、自らが選んだ選択を正解としていく努力、こちらもぜひ、お大事に。

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