「魂が自由な働き方」を実現するフリーランスの魅力を専門家が伝授

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ワークライフバランスの重視や場所を問わない働き方の実現など、自由を実感できる新たな働き方として、これまで以上にフリーランスに注目が集まっています。しかしながら、第一線で活躍できるフリーランスになるためには、心構えや覚えておくべき業務委託契約上の注意点があります。そこで今回はDropbox Japan代表取締役社長 梅田 成二をモデレーターに、フリーランスとして働くうえでの考え方や実情について、3名の専門家にご意見を伺いました。

Dropboxは、「スマートな働き方を創造する」ことをミッションとしているクラウドソリューションプロバイダーです。Dropbox Japanは、新しい働き方を追求しているフリーランスの働き方を応援するとともに、新しい働き方を促進していきたいと考えています。本稿では、そのヒントを探っていきます。

集合写真

コロナ禍で収入減でも8割が続けたい!“魂が自由”なフリーランスの働き方とは

フリーランスの定義は、特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供し、対価や報酬を得る働き方です。フリーランスという大枠の中でも、企業・組織と雇用関係を持たない「独立系フリーランス」と雇用関係を持つ「副業系フリーランス」の主に2種類の形態があります。

近年では働き方の多様化やワークライフバランスの重視などのニーズが高まっており、フリーランス市場も拡大しています。ランサーズの調査によれば、2021年10月時点でフリーランス人口は約1577万人、経済規模は約23.8兆円にものぼります。

また企業・組織としても、フリーランスを活用することにより、即戦力の確保による人材不足解消や人的コストの最適化などのメリットを得られます。今までの働き方に捉われない業務形態として、憧れを持たれることもあるフリーランスですが、その業務の実情は一体どうなっているのでしょうか。

まずは、一般社団法人プロフェッショナル & パラレルキャリア・フリーランス協会(以下、フリーランス協会)の代表理事を務める平田 麻莉氏にフリーランスの実態について伺いました。フリーランス協会は、フリーランスの方々のインフラ、コミュニティ作りと環境整備を行う7万人の会員を有す日本最大級のフリーランスの非営利団体です。活動の一環として、政府への政策提言、環境整備、制度設計、フリーランス向けの福利厚生サービスを提供しています。

平田 麻莉氏

フリーランス協会の調査によると、会社員時代に比べて半数以上の人が「働く時間が減った」、7割もの人が「ストレスが減った」と回答しました。

「フリーランスの良さを聞かれた時に、私がいつも答えるのは『魂が自由』ということです。誰と働くか、何を生業とするかを自分で決められるのはとても豊かなことです。企業では人事を自分で選べませんが、すべて自己決定できるのがフリーランスです。もちろん、フリーランスは毎日が意思決定の連続で、誰のせいにもできない責任はあります。ただ多少の困難は『自分で選んだことだから』と納得感が得られます」(平田氏)

図1多くの人がフリーランスに転向することで精神的にも時間的にも余裕が生まれると実感

フリーランス協会がコロナ禍の2020年に実施した調査では「フリーランスで働き続けたいか」という質問に対し、8割は「続けたい」と回答した一方で、会社員に戻りたいと回答した人は1割にも満たないという結果になりました。

「リモートワーク環境も、Dropboxをはじめとしてさまざまなツールが発展・進化しています。さらに、アフターコロナ時代ではワークプレイスがより拡張し、オフィスに限らず運転中や移動中にも仕事ができるようになるでしょう。組織への帰属意識も流動化し、ミッションドリブンでメンバーが集まり、プロジェクトが主体となる未来も見え始めているのではないでしょうか」(平田氏)

続けて、フリーランスで編集・Webデザイン・店舗企画運営の長年の経験をもち、現在は女性起業家のためのコミュニティ運営と成長支援プログラムの企画開発を行うmeetalk株式会社 代表取締役社長 山中 直子氏にもご意見を伺いました。

山中 直子氏

「フリーランスの魅力をひとことで表すと『人生のオーナーシップを持てること』だと思います。具体的には、仕事やライフスタイル、時間の使い方を自由に選べることはもちろん、好きなチームが組める点や実績が自身に残る点も魅力です。自分が仕事の最終責任者なので、ほかの組織に参画したり、自分から他の人へ発注しチームを組んで成果を高めるなども可能です。取り組むプロジェクトも仲間も選んで仕事ができる。全てが自己責任というシビアな環境ではありますが、会社員より自己裁量で進められる点も強みでしょう」(山中氏)

フリーランスで起こり得る業務トラブルへの対策

フリーランスの働き方は「自分の得意分野や好きなことを仕事にできる」という点が魅力的な一方で、自分の専門分野の仕事だけでなく、法務関連や経理等の事務作業もすべて自分で行わなければなりません。とくに業務委託契約関連のトラブルは絶えません。フリーランス・トラブル110番」を運営する第二東京弁護士会に所属する、ひかり総合法律事務所 弁護士 山田 康成氏は、以下のように話します。

山田 康成氏

「会社員であれば、雇用に関するトラブルがあった際には、労働基準監督署へ相談するのが一般的です。しかし、フリーランスなどの業務委託では公的な相談先が用意されていないことが問題視されています。このような提言をフリーランス協会からもいただいて、フリーランス・トラブル110番を設置しました。ここでは、相談のみならず、話し合いで解決する和解斡旋の手続きについても弁護士が当事者の間に入ってサポートしています。多くのフリーランスの方々を支援する中で、私自身フリーランスの魅力とともにさまざまな問題点を知ることになりました」(山田氏)

フリーランスには時間的自由がある一方で、心理的に発注者に縛られてしまい、契約条件などでも自分の希望を強く言えないフリーランスもいます。「特定の組織に専従せず、フリーランスとして働く覚悟が必要です」と山田氏は指摘します。

続けて平田氏は「コロナ禍で増えたトラブルとして、口約束で受けた仕事を自粛により電話一本で中止される被害に遭った方もいらっしゃいます。自腹を切って準備を進めていたにもかかわらず、キャンセル料を補填されず売上を回収できなかったのです」と話します。

このような被害を減らすためにフリーランス協会は、現在政府が策定中の「フリーランス新法」で、契約条件の合意・明示などのルール化を求めています。

企業には従業員を守る仕組みがそろっている一方、フリーランスは今まで企業が守ってくれていた部分がなくなります。とはいえ、弁護士への相談は勇気のいることで、ハードルも高いと感じられる方もいるかもしれません。それに対し、山田氏は次のように述べます。

「相談に行く場所がないという声を多く聞きます。第二東京弁護士会では、フリーランス・トラブル110番を通して、対面相談やWeb相談、電話やメールなどで受け付けているため、お気軽にご相談いただけたらと思います」(山田氏)

第一線で活躍するフリーランスになるためのポイント

フリーランスで活躍するためには、さまざまな外部のサービスを活用するのが効果的です。業務の効率化のためにデジタル技術をうまく取り入れている方も多く、常にアンテナを張り積極的に情報収集をすることもスキルとして求められます。その要素として、平田氏は専門性を磨き続ける「自己投資」の重要性を主張します。フリーランス協会の「フリーランス白書2020」によると、フリーランスの66.2%が「自己投資をしている」と回答。一方で、「営業活動・マーケティング活動を行っている」という回答は27.1%になりました。

「安定的に仕事を受けるために、名刺の配布やSNSのフォロワー増に取り組むよりも、しっかりと目の前の仕事で確実に期待値を超えることが重要です」(平田氏)

図2講座の受講や資格の取得だけではなく、読書やキャリアアップ・スキルアップのための仕事の選択など、いわば「セルフOJT」も自己投資の1つと言えよう

もちろん個人で取得できる情報や経験には限度があります。会社員なら困ったときは上司への相談、過去事例の調査といった選択肢がありますが、フリーランスにおいてはそうとも限りません。そのため、「人脈作り」が重要になります。

「アドバイスをくれたり、情報を共有しあうのも、また、お互いの成長を高めあったり、困った時に助け合うのも人です。私も、周りの友人に助けられたことは数えられないほどあります。勉強会やイベント・飲み会などで出会った人からさらなる縁をもらうことも。良いコミュニティを探しましょう。視座の上がる場や、素の自分でいられる居場所だったり色々なコミュニティへの接続があるといいと思います。刺激し合い、支え合える仲間をもつことが大切です。」(山中氏)

フリーランスが活躍するためには、「専門性を進化させ、研ぎ澄ませていくこと」も欠かせません。エンジニアやクリエイター界隈では常に技術革新が起こっていることから、新しいツールや新たな言語を学んでいくといった手段で進化させていく必要があります。

「『幅を広げていく』というリスキリングも必要です。広報の領域で例えると、『広報×マーケティング』『広報×子育て世代』といったかけ算のできるタグを増やしていくことで、希少性は高まり選ばれる理由になります。つまり、縦の方向に進化させつつも、横の方向に幅を広げていく両方を意識しながらバランスよくやっていくことが重要です」(平田氏)

自己研鑽と間接スキルの取得が“真”に自由なフリーランスの条件?

上述したように、理想的なフリーランスを目指すうえでは、「またこの人と仕事をしたい」と思われるような関係作りを行う必要があります。そのために、10年後、20年後の未来を見据え、自己投資を続けたり、視座を高く持ち継続的に取り組むことが大切です。

いざフリーランスを目指そうにも、安定的に仕事を受けられるかどうかを不安視する方もいることでしょう。ですが、ポジティブに物事を考えるのも案外重要なのかもしれません。

「意外にも、フリーランス・トラブル110番では『企業の専属になって自由がない』『本当は他の仕事をしたくて辞めたいけど辞めさせてもらえない』というご相談も多くいただいています。仕事がないというよりも、より自由な仕事や、やりがいのある仕事を見つけたいと考えておられるフリーランスの方も多いようです。」(山田氏)

続けて平田氏は自己投資とスキルアップの重要性を説きます。

「真に自由なフリーランスになるためには、自己投資やスキルアップは必須です。加えて、契約の知識や交渉、確定申告などの税務手続きといった『間接スキル』も重要となります。ITツールを使いこなし、タスク管理することも間接スキルのひとつでしょう。このような力を身につけ、それを楽しめる方であれば、ステップアップして自由な働き方に挑戦できるはずです」(平田氏)

まとめ:スマートな働き方を支えるDropboxの機能5選

先に述べたように、フリーランスとして活躍するにはITスキルを身につける必要があります。また、日々進化するITツールの機能を学ぶことも重要です。例えば、
Dropboxは、先方とのファイルのやり取りやデータの安全な保存先に使われるクラウドストレージだけでなく、それ以外の便利な機能も数多く取り揃えています。こうしたツール類やその機能を使いこなすことも作業効率を大幅に向上することができます。

Dropboxを使いこなせば、データ管理やタスク管理、プロジェクト管理がスムーズに進みます。ここでは、梅田が推選するスマートな働き方を実現するための、知られざるDropboxの機能を解説していきます。

梅田 成二

1.Dropbox Backupで大事なデータをバックアップ

フリーランスが業務を進める中で、動画や画像、契約書、企画書などの重要データを頻繁に保管していることでしょう。バックアップの手段にUSBや外付けHDDを選ぶ方もいますが、物理的な故障・紛失リスクが伴うほか、定期的なデータ更新も手間になります。「Dropbox Backup」ではPC1台と外部HDD1台に対し、容量無制限でデータをバックアップ可能になるため、これらのリスクが解消されます。

2.マルウェア感染対策にもなるバージョン履歴機能

仕事をしていると、うっかり大事なデータを削除してしまったり、間違って更新をしてしまったりすることもあります。また、昨今では個人・企業に関係なく、マルウェアの感染被害が後を絶ちません。そのような時は、データの復元が必要となります。Dropboxの「バージョン履歴機能」では、ボタンひとつで過去のバージョンに遡ってデータを復元できます。突然の仕様変更で以前に作った状態に戻したいという、よく起こりがちなニーズも応えられます。なお、無償版で30日間、有償版で最大1年間までさかのぼれるようになっています。

3.大量ファイルを巻き戻すデータ復元機能

少数のファイルでしたら、バージョン履歴機能で素早く復元できますが、フォルダごと復元するとなると手間がかかってしまいます。そこで役立つ機能が、
Dropboxの「データ復元」です。データ復元では復元期間を設定し、巻き戻すというボタンを押すだけでフォルダ丸ごと復元できます。もちろん、マルウェア対策にも効果的です。

図3セキュリティ面だけでなく、業務においても役に立つ

4.効率的なデータ共有

フリーランスは制作物をクライアントやチームに共有し、フィードバックを得るシーンが多く見られます。Dropboxでは複数のファイル共有方法があります。そのひとつが「Dropbox Transfer」を使った方法です。これはファイルに対し有効期限やパスワードを設定し、共有する方法であり、Dropboxのアカウントを持っていないユーザーともデータ共有ができます。なお、無償版で100MB、有償版で
2GB~100GBまで簡単にシェアできます。

また、共同作業を行わない場合は閲覧のみにしたり、ユーザーを指定して編集許可を付与したりと、細かな権限設定もできます。

5.動画やイラストでフィードバック

クリエイティブ系の制作物のフィードバックをもらう際、どうしてもテキストベースでニュアンスを伝えることが難しいこともあります。そこで役立つのが
Dropbox Capture ※」です。これは、動画やイラストなど、ビジュアル的に見やすい形でフィードバックを示すことができる機能です。例えばWebページのデザインに対し、動画を録画しながらマークやコメントを入れたり、音声を録音したりすることも可能となります。

※現在ベータ版にて提供中

図4ビジュアルを通してフィードバックできるため、細かなニュアンスも伝えることができる

このようにDropboxは、膨大なデジタルコンテンツの収集だけでなく、管理や共同作業をすべて1か所で行える環境を提供することで、作業を効率化します。さらに、細かい便利機能が多く搭載されているため、フリーランスの皆様が実務に注力できる体制作りを支援できます。

働き方の柔軟性が求められる昨今、フリーランスはあらゆるビジネスにおいて重要な役割を担う一方で、社会人と比べ社会的立場が担保されておらず、人脈作りから間接スキルの取得、経理を含む事務作業にいたるまで、全ての作業を一人で運営しなければなりません。ワークライフバランスや場所を問わない働き方など、フリーランスならではのメリットを享受するためには、もはやITツールを使った業務効率化は必須と言えるでしょう。

新しい働き方を支えるクラウドソリューションプロバイダーとして
Dropbox Japanでは、これからもフリーランスの方々が自らの能力を最大限に活かせる環境を提供し、働き方を多方面で支援することで「魂が自由な働き方」を促進してまいります。

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